トヨタ自動車とソフトバンクの共同出資会社として設立されたMONET Technologies株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役社長兼CEO:宮川潤一)=モネ・テクノロジーズ=の第2期決算(2020年3月31日現在)が官報に掲載され、当期純損失が前期比447%増の約6億7377万円に上ったことが明らかになった。
同社は自動運転社会を見据え、設立以来、オンデマンド配車サービスを中心として全国の自治体と地域の社会課題解決に取り組んでいるほか、「MONETコンソーシアム」という名称の業界団体を設立し、業界や業種の枠を越えてMaaSの事業開発を推進している。
第1期決算では1億2314万1000円の純損失を出していたが、大幅に損失が増加した形だ。一方で、第1期決算では計上されていなかった売上高は2億1637万1000円計上されている。
【参考】第1期決算については「MONET Technologiesの初決算、2019年3月期は1.2億円の純損失計上 ソフトバンクとトヨタの共同出資会社」も参照。
MONET Technologiesの初決算、2019年3月期は純損失1.2億円 ソフトバンクとトヨタの共同出資会社 事業はオンデマンドモビリティや自動運転、MaaS https://t.co/Gr0BzPTMPI @jidountenlab #MONET #決算 #トヨタ #ソフトバンク
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) June 24, 2019
■貸借対照表と損益計算書の要旨
当期までの利益や損失の累計である利益剰余金は7億9691万2000円のマイナス。各数字は以下の通りとなっている。
貸借対照表の要旨(単位:千円)
▼資産の部(単位:千円)
流動資産 1,931,035
固定資産 448,686
・有形固定資産 24,965
・無形固定資産 361,592
・投資その他の資産 62,129
資産合計 2,379,722
▼負債及び純資産の部(単位:千円)
流動負債 319,934
・賞与引当金 67,509
・その他 252,424
・負債合計 319,934
株主資本 2,059,787
・資本金 1,428,350
・資本剰余金 1,428,350
・・資本準備金 1,428,350
・利益剰余金 △796,912
・・その他利益剰余金 △796,912
・純資産合計 2,059,787
負債・純資産合計 2,379,722
損益計算書の要旨(単位:千円)
売上高 216,371
売上原価 117,250
売上総利益 99,121
販売費及び一般管理費 767,925
営業損失 668,804
営業外収益 639
営業外費用 3,315
経常損失 671,480
税引前当期純損失 671,480
法人税、住民税及び事業税 2,290
当期純損失 673,770
■攻めの投資を行っているゆえの数字
モネ・テクノロジーズ社は、2020年に入ってから静岡県湖西市・浜松市、福井県越前市と連携協定を締結して次世代モビリティサービスを推進しているほか、MONETコンソーシアムの加盟企業は500社を超えており、2020年4月には企業や自治体のMaaSを実現するために必要な基盤となる「MONETプラットフォーム」の本格運用も開始している。
また、2020年7月1日付でオフィス機能の集約などを目的に、本社を東京都千代田区の新東京ビルへと移転させている。東京駅直結の場所にオフィスを集約させたことにより、全国各地の連携先にもアクセスが良くなり、各都市との実証実験も加速することが期待される。
第2期では大幅に純損失額が増えたものの、攻めの投資を行っているゆえの数字だと考えられる。売上高も初計上されており、モネ・テクノロジーズ社の今後に引き続き注目だ。
【参考】関連記事としては「トヨタ自動運転会社TRI-AD、第3期純利益は4.5倍超の16.3億円 2020年3月期決算」も参照。