自動運転技術を活用した物流ロボなどの製造メーカーによる直物流のビジネスモデル構築を支援——。物流スタートアップの株式会社LOMA(本社:福岡県福岡市/代表取締役社長:中川善智)が掲げている将来的な目標がなかなか刺激的な内容だ。
同社によれば、物流ロボットなどの市場が2027年には3兆円規模になることを見越した取り組みで、物流・配送ロボットの製造企業が直接物流サービス事業を展開していくために協力を惜しまないという姿勢のようだ。
こうした方針を掲げているLOMAとはどのような企業なのか。これまでに発表されているプレスリリースの内容などを参考に、紐解いていこう。
■LOMA社はどんな取り組みをしている?
LOMA社は、AI(人工知能)を活用して「動く仮想倉庫」のプラットフォーム開発を手掛ける企業で、2020年3月3日に設立された。ラストワンマイル物流を支援するため、「すべての人と車を動く倉庫にする」をテーマに実証実験を進めてきた。
具体的には、AIを活用して注文需要の予測や走行ルートの効率化に取り組み、注文を受けてから20分以内で生鮮食料品を受け取れる仕組みの確立に向け、3月から実証実験に取り組んでいる。
2020年5月21日は前述の実証実験で一定のデータを取れたことから、第2フェーズの実証実験をスタートすると発表した。「コロナ自粛支援プロジェクト」も兼ねて実施するという。
新型コロナウイルス拡大により、配達ドライバーの負担増などが顕著になっている。そこで実証実験の第2フェーズでは、同社のプラットフォームを通じた配送ルートの最適化でドライバーの負担を軽減し、消費者にいち早く商品が届くようにするようだ
福岡県博多区を中心とした半径3キロメートルのエリアで展開しながら、対象エリアを福岡市内全域まで拡大していく予定だという。
■将来はユニコーン企業になることを目指すLOMA社
物流業界の課題と向き合うLOMA社。同社はこうした課題と自動運転技術の相性が良いことを見越し、将来的に配送ロボットの製造メーカーが直物流のビジネスモデルを構築できるよう支援していく考えのようだ。
同社は「時価総額1000億円を目指す」としており、ユニコーン企業(時価総額10億ドル以上の非上場企業)となることを目標としているという。
【参考】関連記事としては「輸配送ルート最適化を支援!オプティマインドとフレクトが連携、自動運転領域でも期待の技術」も参照。