ACCESSがガチで目指す「車中エンタメ王」の座 自動運転時代見据え、協業・提携・買収と続々

中国の大手動画サービス事業者との協業も発表



ソフトウェア開発のACCESS社は2020年4月24日までに、中国の大手動画サービス事業者であるNewTV社と協業し、車載エンターテインメントとして中国語番組をコネクテッドカー向けに提供することを発表した。


同社はこれまでも車載エンターテインメント領域でさまざまな企業と協業などを行い、自社のプラットフォームを強化している。目指すは「車中エンタメ王」の座だ。改めて同社のこれまでの取り組みをおさらいしていこう。

■Twine for Carとは?

自動運転時代が将来到来することも見据え、ACCESS社は自社の車載向けマルチメディアコンテンツ共有ソリューションである「Twine for Car」の開発に力を入れている。

Twine for Carは、車内のあらゆるコネクテッドエンターテインメントを使い勝手の良いインターフェースにまとめたソリューションで、2018年4月から提供されている。最新版である「ACCESS Twine for Car 3.0」は2019年12月にリリースされている。

■ACCESS社、協業・提携・買収…

ACCESS社はこのTwine for Carの機能を充実させるため、さまざまな動きをみせてきた。


2019年3月:英7digital社と協業開始

有料音楽配信サイトを運営する英7digital社とは2019年3月に協業を開始している。この協業により、Twine for Carに7digital社のIPラジオサービスとAPIを統合させ、ニッチなラジオ局を車載エンターテインメントの新たな主役として招き入れることができた。

2019年4月:独NetRange社を買収

2019年4月には子会社のACCESS Europe社が、車載向け動画配信プラットフォームを手掛ける独NetRange社を買収し、ACCESSの連結子会社とした。NetRange社の車載向けインフォシステムである「OS.CAR」を組み合わせ、Twine for Carの機能をより拡充させたものとみられる。

2019年8月:米Viacom International Media Networks社と業務提携

2019年8月には、世界的に有名なテレビ向けコンテンツを持つ米Viacom International Media Networks社と業務提携を行い、ドイツの自動車メーカー向けにコンテンツ配信することが可能となったという。

2020年3月:仏Radioline社と協業

2020年3月にはグローバルなラジオプロバイダである仏Radioline社との協業を発表した。Radiolineの車載アプリケーションは130カ国9万以上のラジオチャンネルやWebラジオ局、全国・地方番組、ポッドキャストを提供しており、この技術がTwine for Carに統合されたことで、さらに膨大なオーディオ・コンテンツが配信できるようになった。

■【まとめ】自動運転時代の車載テンタメの可能性は無限大

コネクテッドカーの中でも車載エンタメは楽しめるが、自動運転時代には人が運転から解放されることになるため、より自由に楽しみやすくなる。そのためACCESS社が手掛ける事業はまさに将来有望であると言える。

協業や提携、買収…。ACCESS社はさらに今後どのような動きをみせるのか、気になるところだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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