自動運転レベルは「0〜5」の6段階で定義される。簡単に言えば、「0」は従来の自動車、「1」と「2」は運転支援機能が搭載された自動車、「3」は運転の一部をシステムが担い、「4」「5」は運転の主体が完全にシステム側に移行する形を指す。
詳しくは自動運転ラボの「【最新版】自動運転レベルの基礎知識まとめ」を参考にして頂きたいが、この自動運転レベルの最上位のさらに上に、「自動運転レベル6」という定義が将来誕生するかもしれないと感じている。
もし「レベル6」が誕生すれば、どのような定義となるのか。
■「自動運転レベル6」の定義とは?
自動運転レベル4と自動運転レベル5はODD(運転可能領域)の差によって区別されるが、自動運転中はシステムが完全に運転を担うという点では同じだ。レベル5では「いつでもどこでも」システムが運転操作を常に担うことになり、ハンドルやペダル類も不要になる。
その上をいく「レベル6」が新たに定義づけられるとすれば、自動車側のシステム単体で走行の判断をせず「中央官制センター」が各車両の運転操作をコントロールする、といった形があり得るのではないか。
管制センターが全ての車両の走行状況を把握し、各車両の目的地などに合わせて最適なルートや速度、ハンドリングを自動車のシステム側に指示すれば、道路インフラ全体で自動車の動きが最適化される。そうすれば事故のリスクは減り、渋滞の発生も抑制できるはずだ。
■レベル6の課題と対応策
こうした状況になると、走行するルートの自由度が限りなく制限されることが考えられるが、解決方法がある。
「ただぶらりとこの辺りを回ってみる」的な設定をあらかじめ人間がしておけば、管制センター側がそうした設定に最適化したルートを指示すれば良い。さらに、ハンドルもペダルない車で人が声で右左折などの指示を出したときは、管制センター側はそれに応じた新たなルートを導き出せばよい。
それより重大な課題は、世界中の車両をネットワークでつなぐ危険性と、かつリアルタイムに世界中の車両の最適ルートを算出するためのコンピュータの性能の2点だ。仮に管制センターがハッカーに乗っ取られるとどうなるだろうか。こうした危険に対する対応策が確実に求められる。
■もしレベル6の世界が現実となるのなら
レベル6がもし現実のものとなるなら、まずトヨタが2021年初頭に着工するコネクティッド・シティ「Woven City(ウーブンシティ)」のような舞台が考えられるはずだ。この街の広さは175エーカー(約70.8万㎡)に及ぶ計画のようだが、こうした限定範囲内であれば管制もしやすく、台数も限られてくるからだ。
自動運転レベル6とレベル6のメリット、そして考えられる課題…。多少、先走りすぎた予測かもしれないが、こうした将来がやってくる可能性も捨てきれない。もし現実のものとなるのであれば、こうした時代を見越したサービス開発などもゆくゆくは求められてくるだろう。
【参考】関連記事としては「自動運転、ゼロから分かる4万字まとめ」も参照。
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— 自動運転ラボ (@jidountenlab) October 14, 2019