茨城県の境町(町長:橋本正裕)は2020年1月29日までに、町内での移動手段として公道で定時・定路線の自動運転バスを4月ごろに実用化すると発表した。
ソフトバンク子会社のSBドライブ株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長:佐治友基)と半導体商社の株式会社マクニカ(本社:横浜市港北区/代表取締役社長:原一将)が実用化に協力する。期間限定の実証実験ではなく、定時・定路線で定員11人以上の自動運転バスが公道で運行されるのは「国内初」という。
自動運転バスは、町内の医療施設や郵便局、学校、銀行などを結ぶルートを走る。車両としては当初、SBドライブが保有しているナンバー取得済みの自動運転バス「NAVYA ARMA」(仏ナビヤ製)を使う。いずれは境町がNAVYA ARMAを3台購入し、運行に使う予定だ。
NAVYAの購入はナビヤ社の販売代理店であるマクニカを通じて行い、マクニカは境町によるNAVYA ARMAの活用をサポートする。
運行においては、SBドライブ社の自動運転車両運行プラットフォーム「Dispatcher(ディスパッチャー)」も導入する。Dispatcherでは、車内と車外に取り付けたカメラの映像の分析や車両の停車・発車などが可能だ。乗客の車内移動や転倒も検知する。
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■成功例として全国の自治体に広まるか
境町では高齢者の免許返納が増加しているが、鉄の駅が少なく、バスやタクシーの運転手も不足している。そのため持続可能な住民の移動手段の確保が課題となっており、今回の取り組みがこうした課題の緩和に役立つことが期待されている。
境町での取り組みが成功すれば、全国の自治体でも自動運転バスの定時・定路線運行が広がっていくかもしれない。
ちなみにこうした取り組みに類似するものとしては、秋田県の上小阿仁村の道の駅「かみこあに」における自動運転サービスがある。2019年11月からヤマハ発動機製の7人乗り車両を使い、電磁誘導線を使った自動運転で商用サービスを展開している。
こちらは道の駅と各集落を結ぶ約4キロのルートで運行しており、公道での自動運転車の商用利用の一歩として大きな話題となった。
【参考】関連記事としては「道の駅拠点!200円自動運転サービス、利用者1日4→9人に急増」も参照。