
まちづくり株式会社ZENコネクト(本社:福井県永平寺町/代表取締役:山田秀幸)=ZENコネクト=の第8期(2024年4月〜2025年3月)決算が、官報に掲載されている。第7期の617万円の黒字から、第8期は当期純損失988万円と赤字に転落した。
同社は自動運転移動サービスなどを手掛ける企業で、2023年に全国で初めてレベル4の自動運転移動サービスを開始したことで知られる。最近はどんな取り組みを行っているのか。なお過去6期の純損益の推移は以下の通りとなっている。
<純損益の推移>
・第3期:2,039万9,000円
・第4期:2,190万5,000円
・第5期:202万1,000円
・第6期:▲75万8,000円
・第7期:617万3,000円
・第8期:▲988万5,000円
※▲はマイナス
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■決算概要(2025年3月31日現在)
賃借対照表の要旨(単位:千円)
▼資産の部
流動資産 53,308
固定資産 8,576
資産の部合計 61,884
▼負債及び純資産の部
流動負債 4,305
株主資本 57,579
・資本金 5,700
・利益剰余金 51,879
・・その他利益剰余金 51,879
・・(うち当期純損失)(9,885)
負債及び純資産の部合計 61,884
■日本初の自動運転レベル4認可
ZENコネクトは2017年に設立され、第三セクターとして福井県永平寺町の産学官協働プラットフォーム活動による各種連携業務のほか、土地や建物等の有効利用に関する調査・企画・設計およびコンサルタント業務、公共施設等の管理や運営の受託に関する業務、公共交通事業に関する調査や企画、運営受託など多数の事業を手掛けている会社だ。
MaaS事業では、レベル4の自動運転移動サービス「ZEN drive」を手掛けている。自動運行装置「ZEN drive Pilot Level 4」は、2023年3月に国内で初めて運転者を必要としない自動運行装置(レベル4)としての認可を受けた。自動運転レベル4とは、特定の走行環境を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態のことを指す。
永平寺町での自動運転実用化の取り組みは、2016年度に経済産業省・国土交通省の自動走行実証事業の地域に選定されたことから始まった。2018年度から公道での実証実験を開始、2020年度に国内初となるレベル3自動運転移動サービスをスタート、その後レベル4に移行した。
ZEN driveの運行主体は永平寺町で、運行管理がZENコネクト、運行従事者はZENコネクトがアルバイト雇用したシルバー世代の地元住民のほか地元の大学生という体制になっている。ZENコネクトには、産業技術総合研究所やヤマハ発動機、三菱電機、ソリトンシステムズが技術支援を行っている。

■100円で乗れる自動運転車
ZEN driveは冬期は積雪や凍結を考慮し運休、2025年は3月から運行を再開している。車両内無人でのレベル4自動運転による運行となり、土日祝日のみ定時運行を行っている。利用料金は大人100円、中学生以下50円。
2025年5月からは視察受け入れを再開し、午前と午後それぞれで1団体ずつ申し込みを受けている。また同年7月にはMRライド乗車体験運行がスタートした。実際の風景に3D画像を合成した新しい映像サービスで、体験する場合は事前予約が必要、料金は500円になる。
なお2023年10月にはZEN driveと自転車が接触するという事故が起こっている。自動運転車両が乗客4人を乗せて出発後に駐輪中の自転車と接触した。車内に乗客がいたが、けがはなかった。安全性が確認できるまで一時運行を中止し、事故原因の調査と対策を行ったのちに再開している。

■町の知名度アップにも貢献
ZENコネクトの事業はMaaSや自動運転分野だけではないため、今回の赤字転落が何によるものなのかは不明だ。しかし自動運転車の運行による集客や視察が増え、永平寺町が「自動運転先進の町」としての知名度が高まると、さまざまな経済効果が増えていきそうだ。
同社の今後の取り組みに引き続き注目したい。
【参考】関連記事としては「自動運転レベル4の”日本初”運行企業、「たった1期」で赤字解消 ZENコネクト第7期決算」も参照。