
工場や物流施設を中心に自動運連レベル4の無人搬送ソリューションの提供と運用を手掛ける株式会社eve autonomy(本社:静岡県磐田市/代表取締役CEO:星野亮介)=イヴ・オートノミー=の第5期決算公告(2024年12月現在)が、官報に掲載されている。
eve autonomyは、ヤマハ発動機と自動運転スタートアップのティアフォーにより2020年2月に設立された合弁会社だ。「今日から自動化」をスローガンに、自動運転技術を活用した無人搬送ソリューションを提供し、社会のインフラとしてのスタンダード化を目指している。
第5期の当期純損失は、前期から赤字額が8.6%増の8億5,279万円であった。これまでの純損益の推移は以下の通りとなっている。年を追うごとに赤字が増えている。屋外無人搬送の運行に必要なものがパッケージ化された「eve auto(イヴ・オート)」を提供している同社だが、黒字化に至るのはまだまだ先か。
<純損益の推移>
・第1期:▲2億4,365万1,000円
・第2期:▲4億8,023万7,000円
・第3期:▲4億8,312万3,000円
・第4期:▲7億8,485万7,000円
・第5期:▲8億5,279万8,000円
※▲はマイナス
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■決算概要(2024年12月31日現在)
賃借対照表の要旨(単位:千円)
▼資産の部
流動資産 765,595
固定資産 905,359
資産合計 1,670,954
▼負債及び純資産の部
流動負債 115,623
(うち賞与引当金)(12,849)
株主資本 1,555,330
・資本金 100,000
・資本剰余金 3,576,110
・・資本準備金 100,000
・・その他資本剰余金 3,476,110
・利益剰余金 △2,120,780
・・その他利益剰余金 △2,120,780
・・(うち当期純損失)(852,798)
負債・純資産合計 1,670,954
■ヤマハ発動機×ティアフォーがタッグ
eve autonomyは、ヤマハ発動機のランドカーをはじめとした高い信頼性を持つ車体開発技術と、ティアフォーが開発を主導するオープンソースの自動運転OS「Autoware」の技術を掛け合わせることで、誰にでも扱いやすい自動搬送ソリューション開発を推進することを目的に設立された。
屋外における安全で効率的な無人搬送サービス「eve auto」は、雨天や夜間でも工場等の敷地内屋外環境で自動運転レベル4での無人搬送運用を実現しているため、24時間稼働が求められる施設での運用も可能となっている。
eve autoの自動運転車両は、ゴルフ場でも走り続ける走破性の高いゴルフカーの技術を活用し、小型化して屋内外を走行可能な仕様にしている。牽引重量1.5トン、積載重量300キロで、最高時速10キロで自動走行する。
■40の拠点で導入済みのeve auto
eve autoは現在全国約40拠点・70台以上が稼働している。工場敷地内の屋外無人搬送サービスとして提供が始まったが、現在は物流施設やエネルギー・化学プラントなど幅広い業界で活用されているという。
導入先の1つであるヤマハ発動機本社工場では、6台のeve auto6台の導入により、12名分の工数削減を実現した。またプライムポリマー姉崎工場ではポリプロピレン樹脂のサンプル搬送工程年間1,800時間を自動化、日立ビルシステム水戸事業所ではeve auto1台の導入で、 トラック1台、フォークリフト1台の運用費用を削減することができたという。
日本ロジテム上尾営業所では、危険物倉庫と普通倉庫間の大型トラックが往来する環境で安全な自動搬送を実現したほか、多数の企業で作業効率を向上させている。
■2025年3月に10億円資金調達
eve autonomyは2025年3月、シリーズBのエクステンションラウンドとして10億円の資金調達を行ったことを発表した。事業基盤の拡大が目的で、これまでと同様にヤマハ発動機とティアフォーによる追加出資となる。
今回の追加出資により、技術開発のさらなる加速や事業基盤の強化のほか、工場や物流施設といったこれまでの顧客基盤に加え、新たな市場の開拓に注力しサービス提供範囲の拡大を図ることで、より多くの企業の自動化・効率化ニーズに応えていくとしている。今後は空港やエンターテイメント施設にも活躍の場を広げていく計画だ。
有力企業2社のタッグにより誕生したeve autonomy。人手不足解消や労働環境の改善、業務の効率化といった課題を解決するソリューションを開発している同社の今後に期待したい。
※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。
【参考】関連記事としては「自動搬送EVのeve autonomy、赤字7.8億円は「外販強化」の証?」も参照。