アメリカのエアモビリティ開発企業であるDoroni Aerospace(ドロニ・エアロスペース)が、2025年にも2人乗りの空飛ぶクルマを35万ドル(約4,600万円)で発売することを計画していることが明らかになった。米メディアが報じた。
Doroni Aerospaceはマイアミに本拠地を置いている。同社が開発しているのは、ホバリング型の空飛ぶクルマで、すでにテストを開始している。機体の名称は「Doroni H1」。
同社のCEO(最高経営責任者)であるDoron Merdinger氏は米メディアに対し、「遅くとも2年以内に発売する予定」と語った。
■最大時速は約225キロ、航続距離は約96キロ
報道によれば、Doroni H1は時速140マイル(時速約225キロ)で飛行できる性能を持つ予定で、上空数百フィート(※100フィートは約30.48メートル)の高さを飛べるようになるという。最大航続距離は60マイル(約96キロ)になる予定。
乗りこなすためには、米連邦航空局が認めた免許証のほか、20時間のトレーニングが必要になるようだ。発売から3年目に20機規模、5年目に700機規模を展開する計画で、まずは米軍や警備会社を主な顧客ターゲットとして販売戦略を展開していくという。
報道によれば、企業売却も視野に入れており、防衛関連企業やGMなどの自動車メーカー、Uberなどのライドシェア企業に買収される可能性もありそうだ。
■競争が激しさを増す中で勝ち抜けるか
空飛ぶクルマを開発する企業が各国で続々誕生している。アメリカではJoby AviationやArcher Aviation、日本ではSkyDriveやテトラ・アビエーション、中国ではEHangなどの企業がある。
各社すでに予約受付を始めるなどし、実用化を前に顧客獲得合戦がすでに始まっている様相を呈しており、Doroni Aerospaceは他社にない価値を提供できなければ、業界で勝ち抜いていくのはなかなか困難だ。
Doroni Aerospaceがどう他社に負けない要素を提供していくのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは(2023年最新版)」も参照。