米Microsoftは、いま話題のAI言語モデル「ChatGPT」を開発した米OpenAIへの投資を行っていることでも知られている。そんな「目のつけどころ」がいいMicrosoftが、日本の建機の自動運転ベンチャーも支援することになった。
Microsoftのスタートアップ支援プログラム「Microsoft for Startups」に、ARAV株式会社(本社:東京都文京区/代表取締役:白久レイエス樹)が採択された。ARAV(アラヴ)はどんな企業なのだろうか。
■Microsoftが支援を決めたARAVの技術
ARAVは建機の自動運転に挑戦している注目の東京大学発スタートアップで、2020年4月に設立された。
後付けで建機の遠隔操作を可能にする同社のソリューション「Model V」は、10~20年以上前に発売された古めの建機にも対応している。インターネット環境が整っていれば、1,000キロ離れた場所からもスマートフォンやタブレットなどで操作できるという。
2021年10月には、国立研究開発法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)の事業に採択され、インターネット回線を介して遠隔操作が可能な油圧ショベルに同一動作を覚えさせ、作業を自動化させるという取り組みを行っている。
2022年8月には、建機に後付けで搭載できる遠隔自律装置の見積り注文が可能なECサイトのβ版を公開した。
■「建機」という分野で技術革新
ARAVはMicrosoft for Startupsに採択されたことで、建機などの各種機械・装置の遠隔操作や自動運転に必要となるデータ送受信の改善・解析技術の研究開発において、Microsoftのクラウドプラットフォーム「Azure」を活用していくという。
今後、アジャイル開発と実証実験を繰り返し、さまざまな分野の機械・装置で活用できる実用的なソリューション群の展開を目指していくとしている。
なおARAVは、建設現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)や遠隔、自動化において共同で実証実験を行うパートナーを募集しているようだ。建機という分野で技術開発を行うARAVの今後に注目したい。
【参考】関連記事としては「油圧ショベルに動作を「教育」!自動化に挑む東大発スタートアップ「ARAV」」も参照。