SKYSCAPE株式会社(本社:大阪府堺市/代表取締役:Quesenberry Asa Daniel)が、国内での「バーティポート」(Vertiport)の開発を始めるようだ。 バーティポートとは、エアモビリティの離発着場を意味する。
同社はこのほど、アルミニウム製のヘリパッドやeVTOL(電動垂直離着陸機)プラットフォームの設計開発を行うオランダのBayards Vertiports Solutions、可動式のチェックインターミナルを開発する米SafeHub Systemsと、MoU(覚書)を締結したと発表した。
3社は協業し、日本のAAM(先進航空モビリティ)市場において、第一世代のバーティポートの開発と販売を目指すという。
■組み合わせ自由のアルミ製ブロック
SKYSCAPEが開発を進めるバーティポートは、組み合わせたりつなげたりと多様な設計デザインに対応できる、アルミニウム製のブロックで構成されている。バーティポートの周辺地域やニーズに合う、顧客ごとの設計が可能になるという。
さらに、ドローン物流やeVTOL運用、ドローンによる緊急時の初動対応、医療配送、セキュリティなどのさまざまなAAM技術やシステムを顧客が選択でき、ブロックに組み込める仕様になるようで、それぞれのバーティポートは独自の機能や性能を生み出すという。
SKYSCAPE代表のQuesenberry Asa Daniel氏は「現在、手頃な価格で個々のオーナーのニーズに合わせたVertiportの開発計画や業界の成長に合わせた施設の規模拡大に関するプランニングを進めている」と説明。その上で「日本で我々と協業するグループは今後数年間で社会に良い影響を与えることになると強く信じている」とコメントしている。
Bayards Vertiports Solutionsの事業部長James Earl氏は「今までのeVTOL市場はCGのイメージコンセプトを売るだけでしたが、これからはより具体的なソリューションの提供へと進んでいかなければならない」として、「今回のMOUは具体的なソリューションの提供ができる3社が結束し、開発を着実に進める1歩になると思う」と語っている。
■国内で主導権を握るのはどの企業?
プレスリリースによればSKYSCAPEは2020年4月、日本で唯一のVDMC(バーティポート開発マネージメント企業)として大阪で設立された。「AAM for Everyone」を理念に掲げ、AAMが生み出す価値を誰でも享受できる世界を目指すべく、これまで様々な実績を積み重ねてきた。
英Urban Air Portが、2022年5月に世界初のバーティポート「Air-One」をオープンして話題を呼んだのは記憶に新しい。ちなみにこのUrban Air Portは、日本企業のブルーイノベーションとの業務提携も発表している。
国内のバーティポート分野で主導権を握ることになるのは、どの企業だろうか。企業間競争が始まった。
【参考】関連記事としては「空飛ぶクルマとは(2023年最新版)」も参照。