移動の最適化や利便性の向上などの視点から、「スマートバス停」の有用性が認知されつつある。
そんな中、IoTソリューションなどを手掛ける株式会社YE DIGITAL(本社:福岡県北九州市/代表取締役社長:玉井裕治)=YEデジタル=はこのほど、群馬県前橋市内でスマートバス停の運用に乗り出すことを発表した。
スマートバス停の運用が始まるのは、JR前橋駅前北口バスロータリーの1番乗り場だ。 群馬県において、スマートバス停の導入は今回が初めてだという。
■より利便性の高いバス停へ
今回運用が始まるスマートバス停は、YEデジタルと、西日本鉄道グループの西鉄エム・テックが共同で開発したものだ。前橋市は「バスの事業者ごとに分かれている情報案内やバス停が分かりづらい」「運転免許返納後も安心してバスを利用したい」といった前橋市民の声に応えるべく、スマートバス停の導入を開始する。
今回導入されたスマートバス停には、下記のような特徴がある。
- バスの運行時刻表は31.5インチのデジタルサイネージに表示
- 当該曜日の時刻表や現在時刻帯の拡大表示により、目の不自由な方や高齢者にも分かりやすい表示
- バス接近情報や運休情報、お知らせなどの情報を提供
- 「GTFS-JP」連携により、時刻表作成業務を自動化
前橋市は、同市内を運行中の関越交通と群馬中央バス、群馬バス、上信観光バス、永井運輸、日本中央バスの計6事業者に事業共同経営を働きかけた。6事業者は共同でダイヤ調整を実施し、運行情報を統合するための標準バス情報フォーマット「GTFS-JP」を整備した。
GTFS-JPをスマートバス停と連携することで、1台のバス停で複数のバス事業者の情報が見られるようになったという。さらなる利便性のため、スマートバス停は富士フイルムイメージングシステムズが開発した「バスナビゲーションシステム」とも連携するようだ。
■倉庫自動化にも取り組むYEデジタル
ちなみにYEデジタルは、倉庫自動化にも取り組んでいる。倉庫自動化システム「MMLogiStation」は、現場の制御と管理を行うWES(倉庫実行システム)を提供し、システム変更や自動化設備連携を効率良く行えるようにする。
無人搬送フォークリフトや無人搬送車の導入も容易に追加できるようで、同社は倉庫の自動化により自動運転技術にも携わっている。
■いずれ自動運転車両にも対応?
まずは駅前のバス停での運用スタートだが、周辺のバス停がスマートバス停になる日も、そう遠くはないかもしれない。YEデジタルが自動運転にも携わっていることから、いずれはスマートバス停も自動運転車両に対応していくようになることも考えられそうだ。
【参考】関連記事としては「豪州に”スマートバス停”登場 自動運転バスOlliの相棒、広告配信も!?」も参照。