自動運転車の研究開発が進む中、自動運転車に関してのアメリカ人の本音が分かる興味深いアンケート結果がこのほど公表された。
これは、保険代理店の米Policygeniusが18歳以上のアメリカ人1,500人を対象に自動運転車に対する意識調査を行ったもので、多くの人が自動運転車の安全性に対して否定的な意見を持っていることが分かった。
▼Self-driving cars make 76% of Americans feel less safe on the road
https://www.policygenius.com/auto-insurance/self-driving-cars-survey-2022/
■76%が「安全性が低いと感じる」
「自動運転機能を搭載したクルマを運転または乗車する場合、安全性は高いと感じるか?」という質問では、76%が「安全性が低いと感じる」と回答している。
また、「路上を走行する他の車が自動運転機能を搭載していると知った場合、安全だと感じるか?」といった質問では、73%が「安全性が低いと感じる」と回答している。自分が運転するクルマだけでなく周りの車両だとしても、自動運転車の安全性に対して懐疑的な見方をしているということが分かった。
「自動運転機能を搭載したクルマにより多くのお金をかけられるか?」という質問では、79%が「いいえ」と答え、自動運転車に費用をかけることに否定的なことが分かる。
また、「自動運転機能を搭載したクルマの保険は、普通のクルマよりも高くてもいいか?」には62%が「自動運転機能付き車の保険料はもっと高くてもいい」と考えているようだ。ただし、38%は「自動運転車に搭載された特別な安全機能は、保険料の割引対象になるべき」だと考えているという。
なお、「自動運転機能が稼働した状態でクルマが事故を起こした場合、誰が責任を取るべきだと考えているか?」という質問の回答は、ドライバーと自動車メーカーで半々に分かれた。
■いずれは手動運転にこそ危険性を感じるように?
報道などによれば、アメリカでは現在30の州で、自動車メーカーがドライバーの監視を必要としない完全自動運転車のテストや配備を行うことを認めている。しかし、今回の調査結果によると、多くのユーザーは自動運転車の安全性に疑問を持っていることが分かる。
しかし、自動運転技術は本来、自動車の安全性を高めることを目的に開発されており、技術の高さが証明され、事故率の低さも数字で確認できるようになれば、逆に多くの人が手動運転にこそ危険性を感じるようになると考えられる。
現在は自動運転技術の実用化・普及に向けた黎明期もしくは過渡期と言っていい。そのため、こうしたアンケート結果が出たとしても、だからといって自動運転が普及しないと言い切るのは短絡的だろう。
【参考】関連記事としては「自動運転車の市場調査・レポート一覧(2022年最新版)」も参照。