GM傘下で自動運転開発を行うCruiseが、自動運転車用の半導体チップを独自開発したことが明らかになった。ロイター通信のインタビューで同社のハードウェア責任者がこのほど明かした。
■「有名ベンダー」に対して多額の費用
Cruiseに関しては、米半導体大手のNVIDIA(エヌビディア)から半導体チップの供給を受けていたことで知られている、ロイター通信による同社幹部へのインタビューでは、「有名ベンダー」に対して多額の費用を支払っていたことを明かされている。
報道によれば、Cruiseは独自に自動運転車用のチップを開発することで、車両製造のコストを下げるとともに、消費電力を抑えることで自動運転EV(電気自動車)の航続距離を伸ばすことも狙っているという。
新開発のチップは、同社が開発している自動運転シャトル「Origin」に搭載される予定のようだ。
■独自開発したチップは全部で4種類
独自の半導体チップの開発には多額の費用がかかったと推測されるが、Cruise側は投資金額については明らかにしていない。一方、今後の自動運転ビジネスの有望性を考えれば、開発費用に見合う収益は十分に獲得できると考えているようだ。
ちなみに報道によれば、独自開発した半導体チップは全部で4種類で、自動運転車の「頭脳」として機能するチップや、センサーのデータを処理するためのチップが含まれているという。
Cruiseの幹部によれば、チップの量産には「アジアのチップメーカー」が協力するという。日本の企業なのか、気になるところだ。
■価格交渉ができずに独自開発を決断
Cruiseの幹部はインタビューの中で、「有名ベンダー」に対して価格の交渉ができなかったとし、その理由として、チップの発注数が少なかったことを挙げている。
確かに発注ボリュームが少ない状況では、ベンダー側に値引きの決断をさせるのは難しい。そうした状況の中、Cruiseは自分たちでチップを開発する決断をしたという。NVIDIAにとっては痛手と言える。
自動運転業界の動向は目まぐるしいことを、改めて感じさせるニュースだ。
【参考】関連記事としては「事故でリコール!GM Cruiseの自動運転ソフト、トラブル続き」も参照。