2021年純損失は16億円 日本の「空飛ぶホバーバイク」企業

第6期決算決算、すでに限定受注も実施



出典:官報(※クリックorタップすると拡大できます)

空飛ぶホバーバイクなどを開発する株式会社A.L.I. Technologies(本社:東京都港区/代表取締役社長:片野大輔)の第6期決算(2021年1〜12月)が、官報に掲載されている。

当期純損失は16億3,192万円で、第5期の当期純損失13億6,595万円より19%ほど増加している。







■第6期決算概要
貸借対照表の要旨(単位:千円)

▼資産の部
流動資産 1,476,401
固定資産 264,832
資産の部合計 1,741,234
▼負債及び純資産の部
流動負債 438,625
固定負債 1,376,644
株主資本 △78,826
資本金 100,000
資本剰余金 2,819,048
資本準備金 100,000
利益剰余金 △2,997,874
その他利益剰余金 △2,997,874
(うち当期純損失)(1,631,923)
新株予約権 4,790
負債及び純資産の部合計 1,741,234

■2016年9月に創業した日本のベンチャー

A.L.I.Technologiesは、2016年9月に創業した日本のベンチャーだ。「空中域から社会の仕組みを変えていく」というビジョンのもと、空中を走るホバーバイク「XTURISMO」や、エアモビリティの管制アプリケーションである「C.O.S.M.O.S.」などをメインに、産業用のドローンの研究開発やコンサルティング事業、産業用ドローンを活用した点検・測量なども展開している。

同社の公式サイトによると、主な取引先はJR九州やJR西日本、名古屋鉄道などの鉄道会社をはじめ、京セラや日立製作所、ミサワホーム、三菱重工業、三菱電機、ヤンマーヘリ&アグリなどとなっている。

■2021年10月に200台限定で受注スタート

2021年10月には、ホバーバイク「XTURISMO Limited Edition」の受注を200台限定でスタートしている。

同機はガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせて動く。サイズは長さ3.7×幅2.4×高さ1.5メートルで、重量約300キログラム、最高時速80〜100キロメートル で航続時間は最大40分となっている。価格は税込7,770万円だという。同機は空飛ぶクルマのように、上空を飛ぶのではなく、地上から1~2メートルほどの高さで空中浮遊する仕組みだ。

■米ナスダック市場へのSPAC上場を発表

そして2022年9月、同社は米国法人AERWINS Technologiesが米ナスダック市場へSPAC上場することを発表した。

日本には、SkyDriveやテトラ・アビエーション、エアロネクストなど、有力なエアモビリティ開発企業が存在している。しかし、日本のエアモビリティ企業が米国で上場をするのは初めてのことになりそうだ。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。

【参考】関連記事としては「日本の「空飛ぶホバーバイク」開発企業、米市場で上場へ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)









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