自動運転レベル2「バイクに危険生じる」 二輪団体が懸念

「運転手の注意力低下を招く」と指摘



日本と欧州の二輪製造メーカーなどで構成する「Connected Motorcycle Consortium」(CMC)はこのほど、バイクにとっての「自動運転レベル2」の危険性を指摘するホワイトペーパーをリリースした。


このホワイトペーパーでは、先進運転支援システム(ADAS)について調査し、バイクの安全性にどのような影響があるかをまとめた。ADASは一般的に自動運転レベル2(部分運転自動化)に該当するが、CMCはどこに問題があると指摘しているのだろうか。

■ADAS依存で「運転での注意力が低下」

CMCの1つ目の指摘は、ドライバーがADASを使い続けることで、ADASに対する依存度が高まり、結果として運転における注意力が低下することで、バイクとの衝突事故が増える可能性があるという。

また、ADASシステムがバイクなどの自動車より小さな物体の検出において、遅延が起きることがあることも確認したという。

CMCは「遅延してバイクが検出されることがある場合、遅延したとしても運転手の衝突回避行動が間に合うかどうか、評価する必要がある」としている。


ホワイトペーパーでは、カメラを使用したADASシステムにおいても、問題が起きるケースがあると指摘している。車両から近いバイクの2つのテールランプをみたカメラが、その2つのテールランプを「遠くにいるクルマのテールランプ」だと勘違いする可能性があるという。

確かに、近くを走るバイクのテールランプの「見た目の幅」は、遠くにいるクルマのテールランプの「見た目の幅」のように狭く、同じように見えるというのも納得がいく。

■ADASのさらなる進化に期待も

このような危険性をCMCは指摘しているわけだが、一方的に「ADASが悪」と決めつけているわけではない。論文ではADASのテスラにおいて、バイクの検出に「special focus」、つまりしっかりと焦点を当てるべき、としており、ADASのさらなる進化に期待を示している。

より詳しいCMCの指摘の内容を知りたい人は、実際にホワイトペーパーに目を通してほしい。


▼ホワイトペーパーPDFページ|Connected Motorcycle Consortium
https://www.cmc-info.net/uploads/1/2/1/4/121453783/white_paper_ptw_conspicuity.pdf

【参考】関連記事としては「ADASとは?(2022年最新版)」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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