大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)はこのほど、2018〜2025年度の中期経営計画を改訂し、「都市型MaaS構想」の実現に力を入れていくと発表した。MaaSの取り組みが自社の成長には不可欠と判断した模様だ。
大阪メトロは報道発表で、ある危機感について触れている。「鉄道事業を除いた個々の事業規模が小さく、既存のビジネスモデルだけでは成長が益々難しくなるだけでなく、先細りが加速する」という危機感だ。
そんな中で新たな成長に向けた経営戦略として、「先駆的な都市型MaaS構想を軸とした全社を挙げてのビジネスモデルの再構築」に注力するとしている。
▼Osaka Metro Group 2018-2025年度 中期経営計画(2022年5月改訂版)
https://subway.osakametro.co.jp/news/library/20220526_osakametrogroup_2018-2025_cyukikeieikeikaku202205/20220526_osakametrogroup_2018-2025_cyukikeieikeikaku202205.pdf
■大阪メトロの都市型MaaS構想は「5層」
大阪メトロが目指す都市型MaaS構想は0〜4層の5層で説明されている。そのイメージは以下の通りだ。
第0層では「データの蓄積・分析・予測」、第1層では「最新技術でストレスフリーな移動」、第2層では「自由自在な移動のパーソナル化」、第3層では「フィジカル空間での生活・都市機能の整備」、第4層では「サイバー空間での生活を豊かにするサービス」を掲げている。
特に第2層では、シェアサイクルやオンデマンドバス、自動運転バス、カーシェア・レンタカー、小型モビリティなどを広く揃えることで、多様な交通手段がシームレスにつながるように整備するという。
第3層では、乗継ハブなどの交通結節点を拡充するとともに、駅・駅周辺での各種サービス・
施設を展開するという。
■背景にあるのは「危機感」
冒頭でも触れたが、大阪メトロが都市型MaaSに取り組む背景には、既存のビジネスモデルに対する危機感がある。
そして、MaaSはここ数年で一気に盛り上がっている中、この分野のフロンティアとして取り組むことで、将来的にMaaSサービスで大きなシェアを獲得しようという思いもあるはずだ。
大阪メトロが新事業MaaSでとれだけ存在感を高めていけるか、注目だ。
【参考】関連記事としては「大阪メトロのMaaSへの覚悟!核を「鉄道」から「交通」に変更」も参照。