SpaceXに投資する日本のAngel Box、米自動運転トラック企業にも出資

隊列走行に強みを持つLocomationへ



出典:Locomation公式サイト

イーロン・マスク氏が率いるSpaceXにも出資する日本のベンチャーキャピタル(VC)「Angel Box」は2022年4月21日までに、自動運転トラック技術を開発する米Locomationへ出資したことを発表した。

■トラックの隊列走行技術に強み

Locomationは、米ペンシルベニア州ピッツバーグに本社を置く企業で、2022年から米大手運送会社のWilson Logisticsなどと契約してトラック運送の試験を実施している。同社が独自開発したシステムを使えば、運転手1人でトラック2台の隊列走行が実現する。


Angel Boxの代表取締役である船越洋平氏はLocomationについて「業務用トラックの自動運転という専門的な領域で、ドライバー不足などの社会課題の解決などを期待することができる企業」と述べた上で、「さらなる事業成長に期待している」とも語っている。

ちなみにAngel Boxはこれまで、衛星インターネットサービスを手掛ける前述のSpaceXのほか、AIデジタル弁護サービスを手掛ける日本のRobot Consultingなどに投資実績がある。

■IPOの見通しについても気になるところ

Locomationは隊列走行システムの開発のほか、運送会社用にトラック車両も独自開発している。Locomationのトラックは貨物自動車メーカーの米Kenworthのトラック「T680」をベースとし、遠隔での操作ができることも特徴だ

独自に開発する隊列走行システムは既存のトラックへも搭載でき、サブスクリプションプランも用意されており、初期投資を抑えながら隊列走行の導入をできるという。Locomationによれば、2021年7月時点の契約件数は2,120件に上るという。


同社は現在はまだ上場していないが、ライバルであるTuSimpleなどはすでにアメリカ市場で上場しており、今後のIPO(新規株式公開)の見通しについても気になるところだ。

▼Locomation公式サイト
https://locomation.ai/

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)





関連記事