株価高騰!自動運転実証の常連組、アイサンテクノロジーの潜在力

多くの実証実験に参画、企業との連携にも積極的



撮影:自動運転ラボ

2022年1月4日、測量大手のアイサンテクノロジー株式会社(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:加藤淳)の株価が高騰し、2021年5月10日以来の2,000円台となった。最近、自動運転に関する報道が続いたことなどが高騰のきっかけとなったようだ。

アイサンテクノロジーは主に測量分野において50年以上にわたり事業を展開してきたが、最近では自動運転の実証実験の「常連組」としても存在感を高めている。


自動運転に焦点を当てて設立されるベンチャーやスタートアップ企業のほか、新興のロボット開発企業が自動運転分野に乗り出すケースは少なくないが、アイサンテクノロジーのように歴史ある企業がこの分野に進出し、着実に成果を挙げている例はまだ少ない。

この記事では、アイサンテクノロジーのここ数年の動きを紹介していこう。

■アイサンテクノロジーのここ数年の動き

2018年8月にKDDIと資本・業務提携契約を締結したことを発表している。自動運転の実現に必要な高精度3次元地図の構築と、高速通信網を生かした遠隔制御型自動運転の実用化へ向けた開発促進のためだ。

2019年11月には岐阜市内で初めて実施された小型自動運転車の走行実験に協力している。この実験は市民の自動運転技術への認知向上を目指して実施された。アイサンテクノロジーは、高精度3次元地図データの提供と自動運転車両の提供・走行を担った。車両はアイサンテクノロジーなど複数の企業が共同開発した「Milee(マイリー)」を使用した。


2020年1月には、自動運転技術の実用化と地域の交通課題の解決などを目指す取り組みを進めるべく、長野県塩尻市やティアフォー、損害保険ジャパン日本興亜、KDDIなどと包括連携協定を締結した。

2020年4月には、品質向上や省工程へ向けた実践的な技術開発や、技能者の育成と継承を目的に、愛知県名古屋市内に新拠点「アイサンテクノロジー・モビリティセンター」を開設した。

2021年5月には、損害保険ジャパン、ティアフォーとインシュアテックソリューション「自動運転向けデジタルリスクアセスメント」の開発・提供を発表している。

■多くの実証実験に参画、企業との連携にも積極的

来るべき自動運転時代に向けて多くの実証実験に参画し、企業との連携も進めながら積極的な姿勢を崩さないアイサンテクノロジー。自動運転業界が「研究開発」から「商用化」の段階に突入しつつ中、今後も同社の動向に注目だ。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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