自動車のフロントガラスは、今はただのガラスでしかない。もし今のフロントガラスを「フロントガラス1.0」とするなら、「フロントガラス2.0」はどのような進化を伴うのだろうか。こうしたことを考えさせる報道発表があった。
自動車向けの物体認識技術を開発する韓国のStradVision(ストラドビジョン)は2021年12月22日までに、「AR」(拡張現実)技術を活用した自動車のコックピット開発に関し、同じく韓国企業のLGエレクトロニクスと提携したことを発表した。
AR技術を活用してフロントガラスにさまざまな情報を投影し、ドライバーの運転を支援する取り組みを進めるようだ。以下が報道発表で紹介されたコックピット周りのイメージ図。制限速度や現在の速度、車間距離、車線ラインなどがフロントガラスに投影されている。
■AR技術で「わき見運転」を防ぐ
フロントガラスにさまざまな情報を投影すれば、ドライバーは前方から目を離さない状態でさまざまな情報を確認することができる。つまり、わき見運転を防げるようになるということだ。
では、フロントガラスに投影する制限速度や車線ラインといった情報は、そもそもどのように取得するのか。StradVisionはAI(人工知能)を活用した物体認識技術に強みがあり、恐らく取得した画像から車線ラインや標識に書かれた情報を識別するものとみられる。
ちなみにStradVisionは2014年に設立された韓国企業で、現代自動車やLGエレクトロニクスなどから出資を受けていることで知られる。日本やアメリカ、ドイツなどにも拠点があり、世界展開を加速させている。
StradVisionが「フロントガラス2.0」時代を牽引する存在となるのか、注目だ。同社のキム・ジュナンCEO(最高経営責任者)は「LGエレクトロニクスとの協力関係をさらに拡大させ、より安全な道路環境のための最先端技術を開発する」とコメントしている。
【参考】関連記事としては「物体認識AIに強み!韓国StradVisionが「360度全方位型」も掲げるロードマップとは?」も参照。