中国の通信機器大手華為技術(ファーウェイ)は2021年9月、パートナー企業などと開催した「インテリジェントワールド2030フォーラム」において、今後のモビリティ業界のトレンド予測などを紹介した。
具体的には、2030年までに中国の新車販売の20%が自動運転車になるという予測を披露した。また、2030年には人々が交通渋滞のない暮らしを送っているという。
このほか、これまで自動運転は高速道路や大学構内の道路といった限定領域に限られていたが、段階的に都市部などの公道に範囲が広がるとしている。
ファーウェイはこうした未来に向け、自社のICT(情報通信技術)で自動車業界に貢献し、自動車メーカーがより優れた車両を製造できるよう支援することを強調。その上で、自動運転技術などにより、交通事故の発生率を大幅に低減させること目指すという。
■ファーウェイの自動運転に対するアプローチは?
ファーウェイの自動運転に対するアプローチは、車両そのものを開発するのではなく、自動運転車が必要とする自動運転技術や通信技術、センサーなどを車両を開発する企業に提供していくというものだ。
自動運転技術については2025年までの確立を目指していると過去に報じられており、センサーに関してはLiDARセンサーの開発に着手したことも明らかになっている。LiDARの価格を大きく下げ、さまざまな車両開発メーカーに採用されることを狙う。
ちなみにファーウェイの自動車関連の研究開発チームは5,000人規模にのぼり、2021年は研究開発費は10億ドル(約1,100億円)と言われている。
また今年に入ってからは、2021年4月に上海国際自動車ショーで北京新能源汽車が新型EV「アークフォックスα S」を発表し、この車両にファーウェイの自動運転システムやセンサーが搭載されたことが話題になった。
■デンソーなどに挑戦状
ファーウェイは、自動運転車を開発するための技術やセンサーのサプライヤーとして、存在感を高めていきたい考えようだ。つまりは、デンソーやContinentalといった既存の自動車部品メーカーに挑戦状をたたきつけた格好となっている。
冒頭、ファーウェイの「2030年までに中国の新車販売の20%が自動運転車になる」という予測を示したが、その20%の中のどれだけの車両にファーウェイのシステムやセンサーが搭載されることになるのだろうか。引き続きファーウェイの動きに注目していきたい。
【参考】関連記事としては「ファーウェイ「2025年に自動運転技術を確立」 車両はファブレス生産の可能性大」も参照。