明治大学発ロボティクスベンチャーのSEQSENSE株式会社(本社:東京都千代田区/代表取締役:中村壮一郎)は2021年5月9日までに、自律移動型警備ロボット「SQ-2」の導入台数が10台を突破したことを発表した。
一見して「10台」というと決して多くは感じないかもしれないが、まだこの分野が黎明期であることと、警備ロボットの商用化から約1年半で2桁の導入台数に達したことは、大きな成果であると言える。
■「警備×ロボット」で担い手不足を解消
SEQSENSEは、フィールドロボットの開発に長年携わっている明治大学理工学部の黒田洋司教授らが中心となって、2016年に設立したスタートアップ企業だ。
現在日本では警備員の有効求人倍率が7倍を超えるなど、警備員の担い手が不足している。そんな中で同社はSQ-2を利用し、警備員が行っている一般的な屋内巡回警備・点検業務をロボットが代替できるよう、取り組みを進めている。
SQ-2は、3次元センサー技術や自己位置推定技術、リアルタイム経路計画技術などを搭載した警備ロボットで、人や障害物などとの接触を避けながら自律走行することが可能となっている。
報道発表によれば、SQ-2は東京都の「大手町パークビルディング」や「大手町フィナンシャルシティグランキューブ」といったオフィスビルをはじめ、成田国際空港、大阪の複合施設「なんばスカイオ」など、ビルや施設ですでに導入されているという。
特に「大手町ビルヂング」や「東京ポートシティ竹芝」では、SQ-2が通信機能を使って自らエレベーターを呼んで複数フロアを巡回するなどし、注目を集めている。
■2023年末までに累計500~600台の導入を目指す
近年人手不足が深刻化している警備業界と自律移動型警備ロボットの相性は良い。SEQSENSEは2021年末までに累計100台、2023年末までに累計500~600台のSQ-2の導入を目指すという。日本での警備ロボットの運用拡大に注目していきたい。
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