東日本旅客鉄道株式会社(本社:東京都渋谷区/代表取締役社長:深澤祐二)=JR東日本=は2020年5月29日までに、新たに「MaaS・Suica推進本部」を設置すると発表した。アフターコロナを意識した動きでもあるようだ。
JR東日本はグループ経営ビジョンとして「変革2027」を掲げ、「ヒト」を起点とした「生活の豊かさ」という価値を社会へ提供することを目指している。
MaaS・Suica推進本部は、「移動のシームレス化」「多様なサービスのワンストップ化」「データを活用した新サービスの導入」の実現に向けて設置され、顧客が24時間どんな生活シーンでも移動・購入・決済などのサービスを利用しやすい環境の構築を目指す。
■「リアルからデジタルへ」「マスからパーソナルへ」
設置の背景には、新型コロナウイルス感染症の拡大によって「リアルからデジタルへ」「マスからパーソナルへ」という変化が急速に進むと見込まれることがあるようだ。
こうしたことを見据え、具体的には「モビリティ・リンケージ・プラットフォーム」と「決済プラットフォーム」の2つを拡充して連携し、利便性を向上させていくという。
さらに、移動情報や購入情報、決済情報などのビッグデータ活用し、輸送と生活、IT・Suicaのサービスを結びつけ、個々のニーズを満たしたサービスの提供や新サービスの導入を進めていく。
グループ全体のシステムを統括し、部門を超えたデータの利活用を推進して、さまざまな場面でのデジタルトランスフォーメーションも実現していく。
■MaaSの取り組みに積極的なJR東日本
JR東日本は2017年9月に「モビリティ変革コンソーシアム」を設立した。交通事業者やそれ以外の国内外の企業、大学などの研究機関が、次世代の公共交通や解決困難な社会課題について議論などに取り組んでいる。同コンソーシアムには2020年4月時点で151の団体が参加している。
2019年4月には技術イノベーション推進本部内にMaaS事業推進部門を設立し、同月に伊豆エリアでの観光型MaaSの実証実験も開始している。さらに2019年10〜12月にかけ、新潟県新潟市でも類似の実証実験を実施している。
新型コロナは我々の社会に大きな影響と変化を及ぼしている。JR東日本は従来からMaaSへ積極的に取り組んでいるが、ウイズコロナ/アフターコロナにおいてその動きをさらに加速させていくとみられる。
JR東日本の今後の動向にも注目していきたい。
【参考】関連記事としては「JR東日本、群馬で観光型MaaSの実証実験!地域活性化に期待」も参照。