国土交通省は2019年12月13日と14日の2日間、都市部における自動運転バスの導入可能性や課題などの検証を目的として、東京都の池袋において自動運転バスの実証実験を実施すると発表した。今年2月に同実験を実施予定としていたが、当時は実験車両の不具合を理由に中止していた。
実証実験は、池袋にある大型商業施設「池袋サンシャインシティ」の周囲の公道で行う。多くの人が行き交う都市部における自動運転バスの走行は、決して過去の事例をみても多くない。
具体的には、自動運転に関する実証実験の実績が豊富な「群馬大学次世代モビリティ社会実装研究センター」(CRANTS)の協力の下、自動運転機能が搭載された低速電動バス「COM10」を使って実験を行う。自動運転のレベルは「2」で、報道発表では「特定条件下での自動運転」と説明されている。
車両にはテストドライバーとモニターが乗車し、自動運転での制御の可否や歩行者検知時の動きなどを確認する。実施後にはモニターへのアンケート調査を実施し、快適性や実際に運行をスタートした場合には利用したいかなどを聞き、実用化に向けて意見を参考にするという。
■社会受容性を高めるためのチャンス
こうした都市部における自動運転の実証実験は、社会における受容性(アクセプタンス)を高めるためのチャンスでもある。
自動運転の実証実験は仮想空間や実験場で行われることが多く、実際に多くの人の目に触れる機会はまだ決して多くない。
ただ実際の自動運転の技術力がいくら高くても社会が自動運転を受け入れることができなければ普及は望めなく、こうした機会に多くの人に実証実験を見てもらうことが重要であると言える。
【参考】関連記事としては「自動運転車に実証実験・テスト走行が必須な理由 実用化に向けて回避すべき危険・リスクは?」も参照。