ヤマハ発動機株式会社(本社:静岡県磐田市/代表取締役社長:日髙祥博)が、ベトナムのIT企業FPT社とベトナム国内の都市開発を手掛けるEcopark社と協業し、電動小型車両の自動運転システムの共同開発を目的とした実証実験を行うことが、2019年4月16日までに分かった。
3社はこの実験を通じて自動運転技術の開発を進め、ベトナム国内においてスマートな公共交通の実現を目指す。具体的には設定した目的地への自動運行や乗客からの要求への対応、走行中の障害物検出や回避といった項目を検証し、開発を進める。
まずは2019年末までに路上障害物を検知した減速機能、自動駐車機能、モバイルアプリを使った予約機能などを実現することが目標だという。
■FPT社、2017年から自動運転システムを開発
FPT社はベトナムに本社を構えるIT企業で、2017年から自動運転システムの開発も手掛けている。既に自動運転レベル3(条件付き運転自動化)相当の技術を開発しており、2019年末までにレベル4(高度運転自動化)、最終的にはレベル5(完全運転自動化)の実現を目指すという。
FPTは今回の実験でAI(人工知能)とLiDAR(ライダー)センサー技術を活かした自動運転ソフトウェアの開発を進める。ヤマハ発動機はコンサルティングを担当しながら共同開発を進める。実証実験は先進都市エリアEcopark内で行われ、開発元のEcopark社が実験に必要なインフラと施設の提供を行う。
ヤマハ発動機は電動小型自動車の自動運転システムの開発を進め、2019年1月にはラスベガスでAIを活用した低速自動運転移動サービス「Public Personal Mobility」を発表している。静岡県磐田市と提携した低速自動運転車両の実証実験なども予定しており、自動運転への活発な取り組みを見せている。
共同開発する自動運転車両は都市部や高級リゾート地から、工場や倉庫といった物流現場まで、幅広い活用を目指す方針だ。
【参考】関連記事としては「ヤマハ発動機、磐田市で自動運転技術の実証実験 電動小型低速車両を利用」も参照。