パナソニック株式会社(本社:大阪府門真市/代表取締役社長:津賀一宏)は2019年3月7日までに、物流業界へ導入可能な自動運転搬送ロボット「STR-100」の発売を開始した。
現在物流業界ではEC(電子商取引)の普及によって宅配便の件数が増大し、深刻な人手不足が発生している。特に物流倉庫内では荷物を扱うためのカゴ台車が増え、移動に多くの労力が必要となり自動化が求められている。また、重量のある荷物を扱う際の労働災害も課題として挙がっており、省人化による安全性の確保にも自動化は有効だ。
このような物流業界のニーズを受け開発された搬送ロボット「STR-100」は、搬送対象のカゴ台車の位置を認識して自動で下部に潜り込み、持ち上げて固定したまま移動が可能だという。カゴ台車の搬送が自動で行えるようになるため、物流拠点内の省人化に大きな効果がある。
■最大搬送質量は800キロ、最大100台の同時制御可能
最大搬送質量は800キロまでと大きく、重量物の搬送も問題なく行えるため作業員の負担軽減と安全の確保にもつながる。また最大100台までの同時制御が可能で、大規模な物流拠点内に多数導入することもできる。
走行経路は1センチ単位から細かく設定することができるため、狭い場所での運用も問題なく行える。危険な場所では一時停止や減速といった指示も出せるなど、柔軟な運用が可能なため活躍の場を選ばないのが特徴だ。
「STR-100」は電子マップをもとに自車位置の特定を行うため、床面の工事や磁気テープなどの設置が必要ない。専用のカゴ台車を用意する必要もなく、キャスター位置が異なる特殊なカゴ台車なども搬送可能だという。導入費用と期間を短縮できるため、すでに業務を行っている物流業者も導入しやすい。
一般公道とは違い、法律による制限がない物流拠点内は自動運転技術を活用しやすい。このような場所への導入が進み有効性が実証されれば、社会全体への自動運転技術の普及にもつながっていくだろう。
【参考】パナソニックの自動運転への取り組みは「自動運転時代には「上下分離構造」が当たり前に?!パナソニックの「SPACe-C」」も参照。
CES 2019:パナが提案する「上下分離構造」自動運転車が便利! https://t.co/IUEI0EE3A5 @jidountenlab #自動運転 #上下分離構造 #CES
— 自動運転ラボ (@jidountenlab) January 10, 2019