農機の自動運転化などでスマート農業実現!北大と岩見沢市、NTTグループ

次世代通信規格5GやAI技術なども活用



自動運転技術を農業に活用するスマート農業に産官学の複数団体で取り組んでいく協定が2019年7月2日までに締結された。参加するのは国立大学法人北海道大学、北海道岩見沢市、日本電信電話(NTT)、東日本電信電話(NTT東日本)、NTTドコモの5者だ。

国内の農業分野は就農人工の高齢化や後継者不足などによる慢性的な労働力不足の課題が挙がっている。こうした問題を解決するため、自動運転農機をはじめとするスマート農業の実証実験に取り組む北海道大学と岩見沢市、NTTグループ3社の連携協定が成立した。


出典:NTTドコモ・プレスリリース

具体的には、自動車の自動運転技術でも活用されている「高精度測位・位置情報配信基盤」、「次世代地域ネットワーク」、「高度情報処理技術およびAI(人工知能)基盤」の3つをテーマに、農機の自動運転化によるスマート農業の実用化を目指す。

「高精度測位・位置情報配信基盤」のテーマでは農機が正確な自動運転を行えるよう、高精度で低コストな位置測位方法を検討する。準天頂衛星「みちびき」などを使ったGNSS(全球測位衛星システム)や国土地理院が提供する電子基準点などの方法のほか、NTTドコモが提供する予定の精度の高い独自測位技術なども含めて新しい方法を検証する。

「次世代地域ネットワーク」では農機が自動運転するにあたり最適なネットワーク方式について検証する。次世代通信規格「5G」や、岩見沢市が取り組んでいる農地への通信基盤整備などを組みあわせて、自動運転に求められる高速で低遅延かつ信頼性の高いネットワークを構築し、最終的には遠隔監視による無人の完全自動運転実現を目指す。

「高度情報処理技術およびAI基盤」では自動運転農機から収集される画像などのデータを効率的に伝送する情報処理技術と、集めたデータを分析するAIプラットフォームの検討を行う。NTT東日本の通信ビルを拠点として農場から集められた各種データを高速分析、農事業者へタイムリーにフィードバックできる仕組み作りを行う。


協定の契約期間は2024年までの5年間だ。地域の社会課題解決を目指すとともにグローバル展開も見据え、世界の食料不足改善にも取り組む方針だという。

【参考】自動運転農機の開発企業については「「無人農業」「スマート農業」で自動運転技術はどう貢献?」も参照。


関連記事