nearMe.でタクシー相乗りマッチング 元楽天の起業家が新アプリ ライドシェアがNGなら…

東京都内で2018年6月からスタート



株式会社NearMe(本社:東京都千代田区/最高経営責任者:髙原幸一郎)が、既存のタクシーに相乗りする相手を探すマッチングアプリ「nearMe.」の運用を、東京都内で2018年6月からスタートさせた。営利目的のライドシェアに対して解禁の動きが鈍い日本において、より安価にタクシー移動ができるようになると注目を集めている。


同社を率いるのは、楽天の子会社ケンコーコムで執行役員を務めた経験を持つ髙原幸一郎氏だ。髙原氏は2017年7月にNearMe社を創業。2018年1月にはニッセイ・キャピタル株式会社の起業家支援プログラムの「特待生」に選ばれ、5000万円の資金調達を果たしている。現在の資本金額は5400万円(資本準備金含む)。

nearMe.を利用すれば、終バス後や終電後に人で溢れるタクシー乗り場の状況も改善に向かう。同じ方向へ帰宅する人が同じタクシーに同乗して1台当たりの乗車人数が増えれば、結果的にタクシーの待ち時間は減るということにつながるからだ。

■相乗りルートやお互いの負担金額も表示

ユーザーがnearMe.のアプリを開いて目的地を入力すると、近くにいて同じ方向へと向かう他のユーザーが表示され、相乗り後の走行ルートとそれぞれの「割り勘額」(負担金額)も確認できるようになっている。ルートや金額にユーザーが合意すれば、アプリを通じて両者が連絡を取り合い、待ち合わせをするなどして同じタクシーに乗るという仕組みだ。

タクシーを最後に降りるユーザーは「ライドリーダー」と呼ばれ、タクシーの運転手に料金を支払う。一方で途中下車するユーザーは「ライドメンバー」と呼ばれ、ライドリーダーへの支払いはアプリに登録したクレジットカードで行う。


ライドシェア大手の米ウーバー・テクノロジーズが構築した手法は日本では「白タク行為」に該当し、現在の日本では過疎地などの一部地域などを除いては認められていない。一方でnearMe.は既存のタクシーの利便性を高めることで、「日本流」とも言える移動の低コスト化と効率化を目指している。現在この仕組みの特許も申請中だという。

【参考】世界のライドシェア業界の最新動向については「ライドシェア企業、世界で300社突破 日本企業はゼロ?|自動運転ラボ 」を参照。

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