米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)は2018年6月13日、人事案件を発表し、財務担当副社長のディビア・スリヤデバラ氏(39)が9月1日付で最高財務責任者(CFO)に昇格することを発表した。同社の最高経営責任者(CEO)も女性のメアリー・バーラ氏が務めており、女性2人が企業トップの役職に就くことになる。
スリヤデバラ氏はインドのマドラス大学を卒業後、米ハーバード大学で経営学修士号(MBA)を取得し、商業学士号と修士号を取得。公認財務アナリストと公認会計士の資格を持っており、2005年にGMに入社した。2013年から2017年まで資産管理の最高責任者(CEO)と最高投資責任者(CIO)を務めたほか、2015年から2017年まで財務および会計担当副社長を歴任し、3つの信用格付け機関すべてから格付けの格上げを達成した。
■出資・資金調達部門で貢献
2017年7月からはCorporate Financeの副社長を務めており、企業財務計画や投資家関係、特別プロジェクトを担当している。これまで、ヨーロッパのオペル部門売却や自動運転車のクルーズ・オートメーションの買収、配車サービスを手掛けるリフトへの出資などに貢献してきた。
また、自動運転車開発プロジェクトではソフトバンクのビジョン・ファンドから22億5000万ドル(約2500億円)の出資確保にも尽力するなど輝かしい経歴を持っている。
■CEOと揃ってGMの要職に
なお、CEOのバーラ氏はエンジニアリング関連の要職を経験してきた。2011年にグローバルの製品開発を担当するシニアバイスプレジデントに就任し、2013年には購買とサプライチェーンも担当。エグゼクティブバイスプレジデントに昇格し、2014年1月からCEOを務めている。
CEOとCFOがいずれも女性という企業は少なく、米国のS&P500種株価指数構成企業(米国の取引所で扱われている大型株から選ばれた500銘柄)のうち、CEOや取締役など最上級のポジションに女性が就いている割合は27%程度にとどまるという。
GMはスリヤデバラ氏の昇格により、17人いる執行役員のうち4人が女性になる。違う畑で経営能力を培ってきた女性リーダー2人の躍進により、GMに新しい風が吹きそうだ。