地図大手の株式会社ゼンリン(本社:福岡県北九州市/代表取締役社長:髙山善司)は2021年6月14日までに、AI(人工知能)を活用した位置情報分析プラットフォームを開発・提供するレイ・フロンティアと業務提携することを発表した。
両社は2021年度に長崎市で実施予定の観光型MaaSの実証実験に向け、すでにスマートフォンアプリの共同開発に着手しているという。
ゼンリンは、移動に最適化された地図データベース「Mobility based Network」を有している。一方、レイ・フロンティアは数秒単位での位置情報の取得が可能な「SilentLog SDK」などの技術を有している。
報道発表では「これらの両社の技術を組み合わせ、高精度な位置情報を収集し、分析しやすいデータベースとして管理することにより、様々な利用用途に応じたデータ活用が実現します」としている。
■MaaS以外の事業領域での展開も検討
冒頭触れた通り、両社で開発するスマートフォンアプリは、ゼンリンと長崎市が2021年度に実施する観光型MaaSの実証実験で活用される予定だ。そしてスマートフォンアプリを通じて観光客の移動データを収集し、観光客に寄り添ったサービスを実現していくという。
具体的には、観光客がどんな観光施設や飲食店、小売店に立ち寄ったか、といった情報を取得し、次に訪れる場所などのレコメンドを行っていくようだ。観光客にとっても自分に合った情報がレコメンドされれば、非常に有り難いはずだ。
また両社はこうした技術を、MaaS以外の事業領域でも展開していくことを検討しているという。例えば、位置情報に紐付いた広告配信ビジネスなどの事業領域だ。ゼンリンとレイ・フロンティアの技術のマッシュアップが今後どのような展開を見せるのか、注目だ。
【参考】関連記事としては「AI配車で物流業界の課題に挑戦!ゼンリンが新サービスを発表」も参照。