トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市/代表取締役社長:豊田章男)は、あらゆるモノやサービスがつながる実証都市「Woven City」を静岡県裾野市に作ると、2020年1月に開催された国際技術見本市「CES 2020」で発表した。
そのWoven Cityの公式ウェブサイトが英語版ではあるが早速立ちあがっており、このサイトを通じてオープンに実証への参画企業を広く募っていることをご存じだっただろうか。
【参考】関連記事としては「トヨタ、2021年初頭に静岡県で「コネクティッド・シティ」着工 自動運転やロボット、AIの実証都市に」も参照。
■Woven Cityのサイトには何が書いてある?
「Toyota Woven City」の公式ウェブサイトのURLは「https://www.woven-city.global/」だ。
Woven Cityの詳細までは語られていないが、ティザー(情報の小出し)的な感覚で、富士山の麓に水素燃料電池に接続されたエコシステムが作られること、「生きている研究室(living laboratory)」として居住者や研究者が生活しながらテクノロジーを開発・テストしていくこと、そしてこの研究に参加する人を歓迎するという声明が述べられている。
ほかには、Woven Cityで実証される予定の「自動運転」「MaaS」といった14の分野が提示されている。モビリティ以外の分野も含まれ、社会システム全般の壮大な実験がWoven Cityで実施されることになりそうだ。
- コミュニティの連携
- パーソナルモビリティ
- MaaS
- 自動運転
- ロボティクス
- スマートホーム
- AIを通したコネクティビティ
- 多世代が助け合う生活
- 自然の最適化と健康増進
- 持続可能性と二酸化炭素の回収
- 水素電池を使ったインフラ
- 学術研究やインキュベーション
- 業界どうしのコラボレーション
- スマートな建設や製造
ウェブページの最後には、同じビジョンを共有するビジネスパートナーを募集する問い合わせフォームが設置されており、事業提案・パートナーシップやWoven Cityへの居住に興味を持つ人からの連絡を受け付けている状況だ。
■Woven Cityについて今まで発表されたこと
CESでの発表やトヨタのプレスリリースによれば、Woven Cityは静岡県裾野市にあるトヨタの東富士工場跡地を使い、将来的に約70.8万㎡の広大な範囲において作られる実証都市である。
2021年からまちづくりを開始し、トヨタの従業員やプロジェクト関係者など約2000人が居住することで検証を開始していく予定だ。都市を設計するのは、数多くの著名な建築プロジェクトを手がけるBIG(ビャルケ・インゲルス・グループ)の創業者であるデンマーク出身の建築家ビャルケ・インゲルス氏だ。
Woven Cityでは道路を歩行者専用、速度が遅いパーソナルモビリティ用、速度が速い車両用と3種類に分けてより最適化した交通を目指しており、コネクティビティや自動運転を実装した電動車両「e-Palette」が人流や物流を担い、移動型店舗としても活躍する想定だ。
■【まとめ】さまざまな技術の進化の舞台に
Woven Cityではあらゆるものが「つながる」という。つながる対象も自動車に限っていないことから、人々の暮らし豊かにするさまざまな技術の進化の舞台となっていきそうだ。
自動運転やMaaS関連の技術やサービスを提供する企業はもちろんのこと、環境負荷を下げる取り組みをしている企業や、介護やヘルスケアなどにかかわる企業なども、この街への参画を通じて新しい社会システムを切り開くことに挑戦してみてはいかがだろうか。
【参考】関連記事としては「【速報】自動運転車を検証するWoven City「やり抜く」 トヨタ決算発表で強調」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)