開催が1年延期された東京オリンピックが閉幕した。日本選手団は金メダル27個を獲得する活躍ぶりだったが、開催中はトヨタの自動運転車やロボットが大会を下支えしたことも注目を集め、海外メディアからもその様子が報じられた。
■「五輪の栄光をトヨタが手にした」
選手村では、自動運転が可能なMaaS専用次世代EV(電気自動車)「e-Palette」が選手や関係者の移動を担った。米ブルームバーグ通信は「選手のシャトルでオリンピックの栄光をトヨタが手にした」と、e-Paletteの活躍ぶりを報じた。
今回トヨタはe-Paletteを「東京2020仕様」として約20台導入し、安全オペレーターとして係員を同乗させたが、必要時以外は「自動運転レベル4」(高度運転自動化)で自動走行を行った。
ちなみに東京2020仕様のe-Paletteでは、手すりや座席の高さを場所ごとに変え、車椅子利用者を含めてさまざまな人が快適に車両を利用できるようにした。そのほか、色弱者の人にも配慮し、色の明度差をつけた床・内装にした。
【参考】関連記事としては「トヨタe-Palette、自動運転で五輪選手村の「足」に!SNSで世界に拡散」も参照。
■ラグビーやバスケットの競技会場でも!?
海外メディアで話題になったトヨタの技術はe-Paletteだけではない。ラグビーの競技会場ではトヨタ製の自律型フィールドサポートロボットも活躍し、yahoo!sportsは「あの小さなロボットたちは一体!?」とのタイトルで、その姿を紹介した。
このほか、自動運転機能は有しているわけではないが、バスケットボール会場でハーフタイムに登場したトヨタのAIロボット「CUE5」も、海外メディアの記者から関心を集めた。CUE5は人型ロボットで、3ポイントシュートなどを華麗に決めた。
英ガーディアン紙は「トヨタの巨大AIロボットのハーフタイムアトラクションは大会で最も熱かった」と紹介した。米ワシントン・ポストは、テスラのイーロン・マスク氏の「コンピューターは人間よりも正確無比」というツイッターの投稿を引用して紹介した。
トヨタはパラリンピックでもe-Paletteなどを導入する見込みで、再びトヨタの技術が五輪を通じて世界にアピールされることとなりそうだ。
【参考】関連記事としては「「トヨタ×オリンピック」!登場する自動運転技術や低速EV、ロボットまとめ」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)