住友ゴム工業株式会社(本社:兵庫県神戸市/代表取締役社長:山本悟)は2021年2月19日までに、独自のタイヤセンシング技術「SENSING CORE(センシングコア)」の進化について発表した。
タイヤの空気圧や荷重、路面状態の検知に加え、タイヤの摩耗量を検知する技術を新たに確立したという。
将来的に広く普及すると考えられている無人走行の自動運転タクシーでは、現在のようにタイヤのトラブルに運転手が適宜対応できるわけではない。そのため、タイヤの摩耗量を遠隔で検知できるようになることは非常に有益であると言える。
■車輪速信号やエンジンなどの情報から検知
住友ゴム工業が2017年5月に発表したSENSING COREは、タイヤの動的挙動に関する知見とタイヤの回転で発生する車輪速信号を解析するデジタルフィリング技術を融合させ、タイヤのさまざまな状態を検知する技術だ。
タイヤそのものがセンサーとなるため、センサーを追加で搭載する必要がないことなどが特徴で、タイヤの摩耗量については、車輪速信号とエンジンなどの情報から検知することが可能になったという。
タイヤの摩耗量をクラウド経由で管理すれば、モビリティサービス事業者や運送事業者の安全運行やメンテナンスコストの低減につながる。
■管制センター側で常時把握すべき情報は多い
自動運転車ではAI(人工知能)による運転技術が注目されがちだが、冒頭でも触れた通り、バスやタクシーの無人化が進めば、車体のさまざまな状況・情報を管制センター側で常時把握できるようにならなければならない。
タイヤに関する情報のほかにも、車内の温度や湿度、EV用電池の残容量、車両を構成する各パーツの劣化状況など、管制センター側で常時把握すべき情報は多く、住友ゴム工業の今回のような取り組みに力を入れる企業は、今後増えていきそうだ。
【参考】関連記事としては「住友ゴムの「自ら気づく」タイヤ、AI自動運転での活用期待 その名も「SENSING CORE」」も参照。