医療機器販売の株式会社トム・メディック(本社:青森県青森市/代表取締役:舘山光浩)は2020年7月12日までに、新型コロナウイルス対策での活用を視野に、院内感染防止を目的とする自律走行型のUV(紫外線)殺菌ロボット「UVD-Robot」の販売開始を発表した。
従来、手動で時間のかかっていた病室や手術室の殺菌が短時間で労力をかけずにできるようになるという。
■バクテリアを99.99%殺菌するUVD-Robot
UVD-RobotはデンマークのUVD Robots社の製品で、すでに欧米では40カ国以上、累計3000台以上が導入されている。新型コロナウイルス感染症対策として中国でも導入されたという。
病院内の病室や手術室であらかじめ設定された感染ホットスポットのあらゆる露出面へ集中的にUV-C光を照射し、バクテリアを99.99%殺菌するというのが強みだという。自律的に移動し、障害物を認識して避けながらの走行が可能だ。
1度に最大2〜2.5時間稼働し、9〜10部屋の消毒が可能とされている。15畳の部屋なら約10分で殺菌できるという。導入費用は約2000万円で、青森県八戸市にあるトム・メディックの特設展示場で実際に動作を体験できるようだ。
人手が足りない医療現場において、二次感染のリスクや消毒ムラを抑えながら短時間で効率的に殺菌できることは、現場の負担を大きく減らしてくれそうだ。
■日本国内でも広がるロボット活用の取り組み
新型コロナウイルス感染症が世界で広がったことで、非接触の自律走行型ロボットへ注目が集まっている。日本においてもだ。
例えば、電気機器大手のオムロンは自律走行も可能な同社のモバイルロボット「LDシリーズ」の提供を通じ、パートナー企業の紫外線照射ロボットの開発を支援している。
殺菌というより「清掃」に特化した自律走行ロボットも国内で活躍しつつある。ソフトバンクロボティクスのAI清掃ロボ「Whiz(ウィズ)」もその一つで、新型コロナウイルス問題の中、累計の販売台数を1万台の大台にのせた。
Withコロナ時代がしばらく続くと考えられる中、非接触ロボットへの期待と需要はさらに高まりそうだ。
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【参考】関連記事として「ソフトバンクの自律走行お掃除ロボ「Whiz」、販売台数1万台!コロナで普及加速」も参照。