たった1年で月3往復分!ウェイモの自動運転実験車の実証実績

カリフォルニア州車両管理局が発表



ドライバーがコントロールせずとも自律走行する「自動運転車」は、世界各国の企業が開発に力を入れ、実証実験も盛んに実施されている。その急先鋒がGoogle系ウェイモ(Waymo)だ。


米カリフォルニア州車両管理局(DMV)が発表した2018年12月から1年間の実証実績データによれば、同州における自動運転実証で最多の走行距離を記録したのはウェイモで、総走行距離は145万4137マイル(約234万206km)に及んでいる。

■1年間の総走行距離は234万206km、月往復に換算すると…

ウェイモ記録した234万206kmという距離は想像がつきにくいと思うので、地球何周の距離か考えてみよう。地球の1周は4万75kmのため、ウェイモの走行距離では地球を約58周できることになる。

また、地球から月までの距離が約38万kmとされていることから、ウェイモの自動運転車は2018年12月から1年間で地球と月を3往復したことになる。

この数字はカリフォルニア州に限ったものであり、ウェイモがカリフォルニア以外でも実証実験を重ねていることを考えると、実際はDMVのデータよりも多くの走行実績を積み重ねている。


世の中でまだ自動運転車が普及していない現在でも、このように企業による実証実験は既に盛んに行われているわけだ。

■実証実験の積み重ねの先に、完全自動運転の実現はある

ちなみにウェイモ以外の企業も積極的に自動運転実証を進めている。たとえば、米自動車メーカー大手GM(ゼネラル・モーターズ)の子会社であるCruise(クルーズ)は、前述の1年間で83万1040マイル(約133万7429km)、つまり地球約33周分の実証走行に取り組んだ。

またDMVのデータでCruiseに次ぎ第3位につける中国発のPony.ai(小馬智行)は17万4845マイル(約28万1385km)で、これは地球約7周分にあたる。

このように、ウェイモを筆頭に自動運転車開発に携わる各社は膨大な距離の実証実験を重ねている。そして各社はこのような実証実験を繰り返すことで浮き彫りになった課題を、ひとつひとつ潰しているのだ。


地球を何百周、何千周もするような実証実験が積み重なった先に、完全自動運転車の実現がある。ちなみに各社はシミュレーションソフトを使っての実証実験も同時並行的に実施している。

【参考】関連記事としては「【Excel】アップルの自動運転実証実績、79,754→7,544マイルに」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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