トヨタ系KINTO、2021年3月期は売上高が約10倍!サブスクサービスを本格化

第3期の売上高は32億9,600万円



出典:官報

トヨタ子会社としてクルマのサブスクサービスを担う株式会社KINTO(本社:愛知県名古屋市/代表取締役社長:小寺信也)の2021年3月期決算(2020年4月〜2021年3月)=第3期決算=が、2021年7月11日までに官報に掲載された。


売上高はKINTOのサービスが本格的に始まったことで、前期の3億3,900万円と比べて10倍近い約32億9,600万円まで膨らんだ。営業収益は66億円6,600万円の赤字、当期純利益は57億2,600万円の赤字となっている。

■決算概要

貸借対照表の要旨(2021年3月31日現在)
▼資産の部
流動資産 6,011
固定資産 21,753
資産合計 27,765
▼負債及び純資産の部
流動負債 4,850
(賞与引当金 144)
(ポイント引当金 15)
固定負債 19,881
(退職給付引当金 22)
(役員退職慰労引当金 6)
株主資本 3,033
資本金 7,500
資本剰余金 7,500
資本準備金 7,500
利益剰余金 △11,966
その他利益剰余金 △11,966
負債・純資産合計 27,765
(単位:百万円)

損益計算書の要旨(2020年4月1日〜2021年3月31日)
売上高 3,296
売上原価 2,905
売上総利益 390
販売費及び一般管理費 7,057
営業損失 6,666
営業外収益 996
営業外費用 52
経常損失 5,722
税引前当期純損失 5,722
法人税、住民税及び事業税 3
当期純損失 5,726
(単位:百万円)

■KINTOが展開しているサービスの内容は?

KINTOは、トヨタの新車を月額定額で利用できるサブスクリプションサービスを提供している。定額料金には「保険料」「メンテナンス代」「自動車税」「車検代」なども含まれている。頭金は必要ない。


契約期間は「3年」「5年」「7年」から選べ、ライフスタイルの変化に合わせて車種を変更しやすいサービス設計にもなっている。価格設定だが、例えば約200万円する「ルーミー」は3年プランの場合、月額37,180円(税込)から利用できる。

最近はレーシングドライバーとのスポンサー契約やテレビCMなど、ユーザーを増やすための広告・広報にも力を入れている印象だ。

■「サブスクvsカーシェア」の勝負の行方にも注目

前期の決算から売上高が約10倍に伸びているKINTO。さらなる売上の拡大には、競合サービスと言えなくもないカーシェアサービスを展開する企業に競り勝っていく必要があり、自動車業界の「サブスクvsカーシェア」の勝負の行方にも注目していきたいところだ。

※官報に掲載された決算公告に関する記事は「自動運転・MaaS企業 決算まとめ」から閲覧頂くことが可能です。


【参考】関連記事としては「KINTOが各社のモビリティサービスを集約!MaaSとの連携容易に」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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