タクシーデジタルサイネージ広告「eyevision」「iScene」の内容と掲載方法まとめ

業界でデジタルサイネージの規格化進む?





新しい広告媒体として注目が高まる、タクシー車内におけるタブレットなどの活用したデジタルサイネージ広告。配車アプリを手掛けるJapanTaxiやDeNA、みんなのタクシーらがしのぎを削っているが、旧来からのタクシー広告を手掛ける企業も負けていない。タクシー広告媒体事業やWEB媒体事業を手掛けるアイマッチング株式会社(本社:東京都港区/社長:塩川朋哉)だ。







同社はリーフレットやステッカー、ラッピング、サンプリングなどのタクシー広告を手掛ける一方、デジタルサイネージ広告「eyevision(アイビジョン)」も取り扱うなど、総合的な広告事業を展開している。また、新たなデジタルサイネージ広告「iScene(アイシーン)」の枠も既に販売が開始されている。

「eyevision」から「iScene」へどのような進化が図られているのか。今回はそれぞれの概要などに触れ、同社のデジタルサイネージ商品の特徴を見ていこう。

【参考】デジタルサイネージ広告については「タクシーは序章…後部座席広告、カーシェアやライドシェア、サブスク型でも」も参照。

■eyevisionの概要

音声なしの7インチワイド液晶モニターを搭載した東京都(23区・都下)・神奈川県・埼玉県・千葉県内のタクシーに広告を流すサービス。交通広告代理店の株式会社サンエイ企画が発表している媒体資料(2018年8月時点)によると、放映台数は計2309台で、放映エリアはタクシーの営業所単位で選択可能のようだ。

■eyevisionの広告メニュー

eyevisionの広告メニューはシンプルで、1枠30秒(15秒×2回)、広告料金は1台あたり月額1000円(税別)となっている。掲載期間は月単位で、1クール4カ月となっている。

各タクシー会社の営業時間に準ずるが、放映時間は1日約20時間で、最大15分サイクルで全映像が繰り返し表示される。訴求人数は、都内で1台1050人/月となっている。仮に、2309台すべてで表示される場合、1カ月あたりの想定表示回数は2309×1050=242万4450回で、広告料金は2309×1000=230万9000円、表示1回あたり0.95円相当となる。

毎月1日を基点としており、出稿スケジュールは申し込みが前月10日まで、入稿が同20日前後となっている。入稿形式はMP4で、容量の目安は3ギガバイト以内。15秒映像を入稿する場合、1種類を2回表示するか2種類を1回ずつ表示するかを選択できる。

■iSceneの概要

10.1インチワイドの大画面で音声付きのタブレット端末に進化した新たなデジタルサイネージ広告「iScene」の販売も既に開始されている。

「i(私)」と「individual(個人空間)」「inform(情報を伝える)」「inspire(ひらめく)」、そして「Scene(光景・景色・情景)」から、個別の空間で情報を伝え、感情や行動を喚起し、画面に対峙する「i(私)」の視点を大切にするといったコンセプトが込められている。

デジタルサイネージ設置台数は、東京無線グループやアシストタクシーグループなど約4000台で、東京都心を中心に月間延べリーチ数は260万人となっている。掲載期間は1週間。

動画画面には「動画詳細」ボタンも設置されており、無償オプションとして二次元バーコードを表示するか静止画を表示するか選択可能。静止画の中にQRコードを入れることもできる。

■iSceneの広告メニュー

広告は、乗客がタクシー乗車後料金メーターと連動して表示される「The First Video Ad」、それに続きコンテンツと交互に表示される「Basic Video Ads」の大きく2種類のメニューが用意されている。長時間乗車などで一通り表示されると、「Basic Video Ads」がループ表示される仕組みだ。

「The First Video Ad」は、全乗客が目にし、最も注目度の高い乗車直後のタイミングで配信されるため印象に残りやすく、最大60秒の映像で訴求効果を追求できる。

1枠のみで、想定表示回数は45万回、広告料金は200万円となっている。1表示あたり4.5~5.0円換算となる。最大入稿本数は2本で、途中差し替えは1週間に1回まで。配信終了後、再生数や再生完了数、詳細タップ数などのレポートが送られる。

1クールにおける1広告主あたりの掲載は合計4週分までとなっている。ただし、掲載開始20営業日前の時点で残枠がある場合はこの限りではない。

「Basic Video Ads」は2本目以降に表示される広告枠で、20枠用意されている。最大30秒までで、同一週に2枠申し込むことで最大60秒の映像放映を行うこともできる。

想定表示回数は45万回、広告料金は100万円で、1表示あたり2.2~2.5円換算となる。最大入稿本数などは「The First Video Ad」と同様だ。

また、配信するタクシー台数を半分の2000台とした「Basic Video Ads [HALF]」(40枠)もある。こちらは想定表示回数22万5000回、広告料金は60万円で、1表示あたり2.7~3.3円換算となる。エリアとタクシー会社に偏りが出ないよう制御して配信されるという。

■広告申し込みの流れ

「iScene」申し込みの流れは、①広告主審査②空き枠確認③仮押さえ④考査⑤申し込み⑥入稿⑦掲載開始―となる。①では掲載可否基準をもとに企業や商材、予定クリエイティブを審査する。④では、同様に掲載可否基準をもとに映像のクリエイティブ考査を行う。申し込み・入稿は掲載開始7営業日前まで、掲載は毎週月曜日を基点とする。

■【まとめ】従来広告との相乗効果で差別化図れるか

旧来のデジタルサイネージ広告「eyevision」から新型デジタルサイネージ「iScene」に進化を遂げ、JapanTaxiの「Tokyo Prime」やDeNAの「Premium Taxi Vision by DeNA」、みんなのタクシーの「THE TOKYO TAXI VISION GROWTH」などに対抗していく構えのようだ。

従来のリーフレットやラッピング広告などと組み合わせた相乗効果も出しやすく、タクシー広告事業全般に精通した事業者として今後どのような戦略を展開していくのか注目だ。

それにしても、各社のデジタルサイネージ広告は、表示可能なタクシー台数(端末数)に違いがあるものの規格や仕組みがほぼ同一で、共通のプラットフォームないしはフォーマットに沿って開発が進められている可能性が高そうだ。

デジタルサイネージはタクシー以外でも公共機関や商業施設、鉄道などさまざまな場所で活用されており、状況に応じて独自形式のコンテンツを配信している。このため、同じ内容のコンテンツを別のサイネージシステムへ配信するためにはデータを作り直さなければならない場合が多い。

こういった背景から一定規格化を求める声も多く、デジタルサイネージ産業が直面する課題の解決と新市場の創出をミッションに掲げる一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムが相互運用ガイドラインを公表するなど、動きは活発化しているようだ。

タクシー事業者も、規格に沿ったタブレット端末を搭載していれば複数社からの広告需要に対応できるなどメリットがあるだろう。

一方の広告配信事業者は、別の形で他社との差別化を図る必要性が出てくる。現在は配車アプリなどと同様タブレットを搭載する協力タクシー事業者集めが競争の核になっているが、今後は他社との区別・差別を図る動きも高まりそうだ。







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