香港の民間市場調査会社であるカウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチは2021年7月20日までに、アメリカのコネクテッドカー市場に関するレポートを発表した。レポートによれば、2020年のトップシェアは米GMで23.0%になっているという。
■トヨタは16.6%で2位、GMを猛追
日本のトヨタは16.6%で2位。以下、3位は米フォードで13.7%、4位は欧米FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)で11.1%となっている。日本の自動車メーカー単独では、ホンダが3.9%で7位となっている。
報道発表によれば、2020年は新型コロナウィルスの感染拡大によって自動車メーカーも大きな影響を受けたものの、コネクテッドカーの販売台数は2020年下半期に前年同期比2%増となったという。
カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ社のFahad Siddiqui氏はその理由について、「コネクテッドサービスを求める消費者が増えたことと、後発のトヨタやFCAが、先行するGM、Fordなどに追いついてきたこと」としている。
■2025年、5G採用のコネクテッドカーは27%に増加
報道発表では、コネクテッドカーの通信方式についても触れられている。2020年は4Gが92%、3Gが8%だったが、2025年は推測ベースで4Gが73%と依然主流であるものの、次世代通信規格「5G」を採用しているコネクテッドカーも27%まで増えるという。
ちなみにコネクテッドカーで5Gが採用されるようになると、車内で提供できるコンテンツや機能の幅が広がる。自動運転においても「超高速」「低遅延」といった特徴を有する5G通信は不可欠だ。
またレポートでは、5G対応で市場をリードするのはBMWとフォードだと指摘している。一方、トヨタもコネクテッド技術の開発や5G対応に向けた動きを加速させており、5G対応車で今後どこまで存在感を高められるか、注目が集まりそうだ。
■【まとめ】競争激化必至のコネクテッドカー市場
コネクテッドカーの市場は米国だけではなく、世界でもどんどん拡大していく。富士経済が2020年6月に発表したレポートによれば、2035年のコネクテッドカーの新車販売台数は、2019年比で約3倍の9,420万台に上るという。
市場の拡大とともに、この領域に参入する自動車メーカー以外のプレイヤーも増えていくことが予想され、コネクテッドカー市場における企業間競争が激化していくことは確実だ。
【参考】関連記事としては「コネクテッドカーとは?各自動車メーカーの開発状況まとめ トヨタ、日産・・・」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)