米ロボタクシー、「いきなりブレーキ」でむち打ち続出

WaymoやZooxの監視要員



自動運転によるロボタクシー開発が進んでいる米国で、テストドライバーの負傷事故が相次いでいる。Google系Waymoやアマゾン系Zooxでは、2024年から2025年にかけて24件以上の負傷事故が報告された。


負傷原因は、他車との衝突事故などより、急ブレーキなどのシステムの急制動や急旋回などの誤作動から起因するケースが多く、「むち打ち」の症状などに見舞われているという。

開発段階にあるソフトウェアが持つ過敏な反応が、問題の根本にあるとみられる。

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■Waymoだけで16件の労働災害

出典:Waymoプレスリリース

Waymo社のテストドライバーを管理するTransdev社の記録によれば、2024年に5件、2025年には11件、計16件の自動運転が引き起こした労働災害が報告されている。

例えば、アリゾナ州フェニックスでは、前方に障害物がない状況で突如急ブレーキが作動し、乗車していたセーフティ・ドライバーは157日間も休職した。


また、カリフォルニア州ロサンゼルスでは、道路付近の子供を検知したシステムが誤作動で急ブレーキをかけた。乗車していたスタッフは175日間も職場を離れるケガを負った。

■「No Go」と呼ばれる機能で…

アマゾン傘下Zooxでも、同様のトラブル事例が報告されている。同社が政府に提出したデータによると、テスト中の負傷は計8件。そのうち7件は、急ブレーキや自動運転システムの突然のシャットダウンによるものだった。

Zoox社の例では、時速約72キロでの走行中に突然自動運転が停止し、セーフティ・ドライバーに即時の運転交代を求める「No Go」と呼ばれる機能が発生して急激な減速を起こした。

Zoox社はこれら急ブレーキ問題に対し、2025年3月に258台の自動運転車を、その年の12月には対向車線にはみ出す恐れがあるとして332台もリコールに踏み切った。


■懸念への対応が急がれる

Waymo社は米国で3,500台以上のロボタクシーが現在稼働し、週50万回以上の送迎を行うまでにスケールアップしている。

シェア確立に取り組む中、並行して監視要員の身体的安全にも当然、力を入れているものと思われるが、ソフトウェアの誤作動的な急変動が完全になくなるのは、技術的にはもう少し先になるかもしれない。

監視要員が負傷するということは、ロボタクシーの乗客も似たようなリスクにさらされる可能性がある。もちろん、ソフトウェアの動作要件を保守的にすればリスクは減るとは思うが、そうした懸念への対応が急がれる。

【参考】関連記事としては「自動運転車の事故、日本・海外の事例・事案まとめ」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
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