イーロン・マスク氏に「贈収賄」疑惑 トランプ氏、自動運転規制で便宜図る?

日本人ジャーナリストが「利益誘導」と指摘



出典:トランプ氏公式X(https://x.com/realDonaldTrump/status/1852569802725900547/photo/1)/イーロン・マスク氏公式X(https://x.com/elonmusk/status/1855152953944162426/photo/1)

米EV(電気自動車)大手テスラのCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク氏は、2024年11月の米大統領選におけるドナルド・トランプ氏の勝利を確実にするため、総額2億ドル(約313億円)もの巨額の資金を投入したと言われている。

トランプ氏はその「恩返し」として、自動運転車について規制緩和し、事故報告義務化を撤廃することなどを検討しているようだが、この件について日本人ジャーナリストの青木理氏がラジオ番組で、「利益誘導だしある意味贈収賄みたいなものに近いような気もする」と語っている。


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■テスラに有利になるように便宜を図っている?

青木氏は、米大統領選後にテスラの株価が高騰し、マスクが率いる企業であるスペースXやxAIの企業価値も高まったことについてラジオで語った。

「マスク氏はトランプ氏に食い込んでいるので、投資している人たちは、テスラとかスペースXとかのマスク氏の会社はこれから政府の助けも受けて順調に営業が進んでいくのだと考えている。それにより株価が上がっているということを考えれば、これってものすごい大きな枠で言えば、利益誘導だしある意味贈収賄みたいなものに近いような気もする」といった内容だ。

実際に贈収賄に該当するかを判断するのは裁判所であり、今は結論を出すことはできないが、このような声が出ていることは否めない。テスラ株の高騰はもちろんだが、大統領選後、テスラにとって有利な方向で自動運転車の規制緩和が進みそうだからだ。

日本でも、企業・団体献金については議論されている。企業が政治家や政党に献金を行い、自社の利益につながる政策を推進してもらおうと圧力をかける可能性があるためだ。トランプ氏とマスク氏の関係も、これに似た側面があると言えるのかもしれない。


■大統領就任後に進める予定の政策は?

出典:Flickr / Gage Skidmore (CC BY-SA 2.0) https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/29381357345/

トランプ次期大統領の政権移行チームが、自動運転に関する新たな規制緩和案を検討していることが最近判明した。自動運転やADAS(先進運転支援システム)における事故報告義務化を撤廃する内容だという。

もしこの案が通った場合、開発事業者の省力化を図ることが可能になるというメリットがある一方で、自動運転事故にまつわる情報の透明性が失われ、安全性が損なわれることが指摘されている。

さらに、連邦政府としてガイドラインなどを策定し、統一されたルールで運用できるようにするといった規制緩和策も検討されているようだ。これまで自動運転車に対する規制は各州が独自に定めていたが、この施策が実現すれば、これまで各州個別に対応していた公道走行申請・認可などの負担が軽減されることになり、広域展開を目指す開発事業者にとっては大きなプラスとなる。

テスラは基本的に走行可能エリアなどのODD(運行設計領域)を設定しない自動運転レベル5を目指しており、レベル5が実現すれば州をまたぐ自律走行も可能になる。ただ実際に州をまたいだ自動運転のためには、現制度下では、全ての州からそれぞれ認可を受けなければならない。


そのため、トランプ次期大統領による規制緩和により、テスラは自動運転車の実用化のスピードがアップすることは確実だ。

■トランプ政権は1月20日からスタート

トランプ次期大統領の自動運転関連の規制緩和案の裏には、マスク氏の存在があると言われている。トランプ氏が選挙に勝利したのは、マスク氏の大応援が大きな理由になっているのは間違いなく、その恩返しとしてテスラに有利な政策を行おうと考えるのは自然なことかもしれない。

ただし事故報告の義務化については、米道路交通安全局(NHTSA)が自動運転システムやADASの製造業者と搭載車両が、自動車の安全性に不当なリスクをもたらす欠陥がないことを保証する法定義務を果たしているかどうかを公平に評価する目的で行っている仕組みで、撤廃することで安全性の低下をもたらすと危惧されている。

トランプ政権は1月20日からスタートするが、これにより米国の自動運転制度はどのように変わっていくのか、今後の動きに注目だ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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