ドレッド頭の男、米Googleの自動運転タクシーをぶっ壊す 信号待ちで停車中

無人車両はターゲットにされやすい?

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出典:Instagram@wealthyunions

米カリフォルニア州サンフランシスコで、信号待ちで停車中のWaymo自動運転タクシーが襲われる事案が発生した。犯行の目的は不明だが、サイドミラーが蹴り飛ばされる様子が動画で公開されている。

無人車両を狙った案件は後を絶たない。ドライバーレスという利点は、裏を返せば犯罪の抑止力となる管理者が現場に不在と言える。ゆえにターゲットにされやすい可能性がありそうだ。

今回の事件をはじめ、自動運転車に関する事案をまとめてみた。

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■自動運転車を襲う最新事案

サイドミラー破損、ボディには落書きも

2024年12月にインスタグラムにアップされた動画には、ハザードを付けて停車しているWaymoの自動運転タクシーと複数人の男が映し出されている。

 

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ドレッドヘアで上半身裸の男がタクシーの前でステップを踏み、おもむろにサイドミラーを蹴り飛ばすと、カバーが吹き飛んだ。よくわからないが、男は歓喜のポーズをとっている。

よく見ると、タクシーのドアやボンネットにも落書きされていることがわかる。投稿者は「サンフランシスコで男が信号で停止中のWaymo自動運転車を蹴って破壊し始めた」としており、動画の前後にも何らかの破壊・破損行為が行われていたものと思われる。

いつも思うのだが、明らかに動画に撮られて(撮って)いるのに堂々と罪を犯す心理が理解できない。酔っぱらっているのだろうか。きちんと逮捕されたのか、その後が知りたいところだ。

抑止力のない無人車両は犯罪の標的になりやすい?

Waymoの自動運転タクシーは現在、アリゾナ州フェニックス、カリフォルニア州サンフランシスコ、ロサンゼルスでサービスを提供している。多くがドライバーレス運行を行っており、車内無人を実現している。

この無人化が自動運転の肝であることは言うまでもないが、不徳の輩はこの無人化された車両を狙うのだ。何かしらの悪さを働いても、すぐに制止したり抵抗したりする者がいないためだ。

もちろん、車内には通報システムがあるし、車載センサーの情報から異変を感じたオペレーターが遠隔から通報を行うこともできる。おそらく360度ビジョンのカメラにはっきりと犯行の様子が収められているにもかかわらず、車両に危害を加えるのだ。

ある意味、警備員が常駐していないものの、防犯カメラと通報システムが備わったオフィスに窃盗に入るような感覚なのかもしれない。無人販売所でセコセコと窃盗する輩も近しいものがありそうだ。

■自動運転車に関する事案

春節のチャイナタウンでWaymo車が群衆に襲われ炎上

2024年2月には、サンフランシスコでWaymoの自動運転タクシーがボコボコにされた上に燃やされる事案が発生した。

場所は春節を迎えたチャイナタウンだ。お祭りムードで群衆が道路上にも溢れかえっているところにWaymo車は紛れ込んでしまったようだ。

道が空かずたびたび停止せざるを得ない中、群衆の一人が無人のWaymo車に注目し、ボンネットに飛び乗ってフロントガラスを破壊した。それを見た周囲の人は盛り上がり、次々と破壊行為に参加し始めた。あげく、割れた窓から車内に爆竹が投げ込まれ、これが原因で炎上したようだ。

恐らく、自動運転車をターゲットにしたものではなく、たまたま無人の自動運転車が目の前に現れたため、調子に乗ってか酒に酔ってかはわからないがやってしまったのではないだろうか。お祭り騒ぎの中で群衆心理も働き、我も我もと破壊に参加してしまった感が強い。

本来あってはならないことだが、無人ゆえのリスク……と言うものをしっかりと考えておかなければならないのかもしれない。

【参考】Waymo車炎上については「Google製の自動運転車、火をつけたのは「14歳少年」疑い」も参照。

Google製の自動運転車、火をつけたのは「14歳少年」疑い

歓喜のドジャースファンもWaymo車を標的に

群集心理は、野球ファンをも狂気の集団に変えてしまうようだ。米大リーグのワールドシリーズで優勝したロサンゼルス・ドジャースのファンは、警察に花火を向けたりFPSのトラックを破壊したり、Waymoの自動運転車に落書きしたり……とやりたい放題だったようだ。

シチュエーションはわからないが、動画では、ドア部分に「F〇ck NewYork」と書かれたWaymo車両が停車していることが確認できる。ルーフ上では、むなしくLiDARが回転し続けている……。

日本ならこうした事案は起こらないのに……と思うのは早計だ。日本でも、同様の事案が発生する可能性は高い。渋谷のハロウィンで軽トラックが横転させられた事案を思い出してもらいたい。

酒×群集心理は簡単に理性を打ち崩し、そして自動運転タクシーを打ち壊すのだ。

Cruise車はハンマーで執拗に襲われる

2023年には、サンフランシスコでCruiseの自動運転タクシーがハンマーで襲撃される動画も公開された。

交差点付近でやや不自然に停車するCruise車に、黒いフードをかぶった人が小型のハンマーで執拗にたたきつける内容だ。ルーフ上のLiDARや窓、ボディなどを数十回にわたりたたき続けている。よく見ると、ボンネット上には落書きのようなものも見られる。

途中、Cruise車はクラクションのようなものを鳴らすが、それでもお構いなしだ。交差点で何かしらのトラブルがあったのか、ただの愉快犯なのか、自動運転車を狙った犯行なのかは不明だ。

【参考】ハンマーで殴打されるCruiseについては「GMの自動運転タクシー、ハンマーで破壊 容疑者が逃走中」も参照。

GMの自動運転タクシー、ハンマーで破壊 容疑者が逃走中

自動運転反対派による事案も

自動運転(自動車)反対派による事案も発生している。サンフランシスコでは、米団体「Safe Street Rebels」が2023年、WaymoとCruiseの自動運転タクシーのボンネットに「三角コーン」を設置して回る抗議活動を展開した。

同団体は歩行者の安全や公共交通機関の利用を提唱する団体で、自動運転車のみならず自動車社会そのものを問題視ている。

自動運転タクシーに対するこの抗議活動は「ConeSF」と名付けられ、自動運転車両のボンネットに三角コーンを置いて回るある意味シンプルなものだ。

破壊系に比べれば被害は少ないかもしれないが、三角コーンを置かれた自動運転車は走行不可能になる。車載センサーが異常を検知するためだ。三角コーンを下ろせば済む話だが、無人車両ゆえに下ろすことができない。

走行を再開するためには、オペレーターらが現場に駆け付けないとならない。迷惑系として、厄介極まりない手口と言えそうだ。

【参考】自動運転タクシー×三角コーンについては「自動運転を無能化!ボンネットに三角コーン、反対派が抗議活動」も参照。

自動運転を無能化!ボンネットに三角コーン、反対派が抗議活動

セーフティドライバーが乗っていても襲われる……

2022年には、アリゾナ州テンピでセーフティドライバー同乗のもと実証中のWaymo車が襲われる事件も発生しているようだ。

走行中の実証車両の前に歩行者が飛び出したためセーフティドライバーが停車すると、その歩行者はボンネットに飛び乗り、フロントガラスを破壊したという。セーフティドライバーはけがを負った。

恐らくこれは自動運転車を狙った犯行と思われる。テンピでは、2017年に自動運転実証中のUberが死亡事故を起こしており、反自動運転勢力が根強いという。

テンピはフェニックス都市圏に位置するまちだ。地元メディアによると、Waymoがフェニックスでの実証を本格化させていた2018年に、自動運転車への攻撃やヘイト行為は少なくとも20件発生したという。

進路妨害や並走しながらの殴打、中には、銃でセーフティドライバーを脅す行為もあったとしている。

【参考】Uberの自動運転車による事故については「Uberの自動運転車、「ながらスマホ」での死亡事故で有罪判決」も参照。

Uberの自動運転車、「ながらスマホ」での死亡事故で有罪判決

窃盗未遂事案も発生

ロサンゼルスでは、Waymoの自動運転タクシーを盗もうとした男が逮捕される案件もあった。Waymo車が客を下ろした直後の犯行だ。

Waymo車が乗客を降ろしたすきを見計らい、容疑者は車内に侵入して運転席へ。車両を操作しようとシフトを「D」に入れたが、操作することはできなかったという。

オペレーターが通信システムを通じて車からすぐ離れるよう容疑者に伝えたが、容疑者は指示に従わなかったため警察に通報し、現場に駆け付けた警察官により現行犯逮捕されたそうだ。

安直に「運転席に乗れば操作できる」と考えている輩は意外と多い気がする。ニュースになっていないだけで、こうした事案はもっと発生しているのかもしれない。

自動運転タクシーも万が一に備え手動制御装置を残しているが、使用するためには当然ながら所定の権限や解除操作などが必要になる。

こうした窃盗未遂に勝手に腹を立て、腹いせに車内のシステムを破壊する輩が出てくる懸念もありそうだ。

ロボットも標的に

自動運転車ではないが、主に歩道を走行する自動配送ロボットも被害を受けている。動画系SNSには、ロボットの上に座ってくつろぐ様子や、破壊して中の荷物・商品を強奪する様子、蹴り飛ばす様子などさまざまな事案がアップされている。

こうした輩は、ロボットがサイレンを鳴らしてもさほど動じず、淡々とやりたいことを遂行する者が多い。ロボットは歩道を走行するため身近で、自動運転車よりも手ごろで襲いやすい。

ロボットに搭載されたカメラに犯行の様子は映されるし、多くの場合通報システムも備えられているが、こうした事案は後を絶たない。

【参考】関連記事としては「Google自動運転車への襲撃、セブンイレブンも過去に類似の被害」も参照。

Google自動運転車への襲撃、セブンイレブンも過去に類似の被害

YouTubeでは、ロボットのトラブル事例を集めたチャンネル「Film the Robots LA」などもあるようだ。

■【まとめ】日本でも早期対策と取り締まり強化が必要に?

アリゾナ州では過去、Waymoの車両に卵やアイスクリームのコーンを投げつける事案もあった。当初は自動運転反対派による犯行が多数を占めていたが、無人化を果たしカリフォルニア州に進出したあたりから愉快犯のような犯行も増加してきた感を受ける。

動画で公開されたものやニュースになっているのはごく一部で、実際はまだまだ多くの被害を受けている可能性が高い。情報がほとんど入ってこない中国ではどのような状況なのだろうか。

自動運転車がターゲットとなっているため特別に感じられるが、やっていることは単純に犯罪行為だ。一般タクシーに同様のアクションを行うことと変わらないのだ。

日本でも将来、こういった事案が発生することが懸念される。自動運転車だからと色者扱いせず、早い段階で対策と取り締まり強化を行う必要がありそうだ。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



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