新進気鋭のモビリティテクノロジー企業であるnewmo株式会社(本社:東京都港区/代表取締役:青柳直樹)=ニューモ=が、ライドシェアドライバー向けのカーリース事業を開始する。新会社「株式会社ライドシェアリース」を立ち上げ、2024年秋から「ライドシェアリース」サービスを提供していくという。
ライドシェア事業を展開するために2024年1月に設立されたばかりのnewmoだが、同年7月には100億円超の資金調達を実施することを発表。累計資金調達額は120億円超と、いま最も勢いのあるモビリティ系スタートアップの一社と言える。
ライドシェアドライバーの採用活動やタクシー会社の買収など、次々と新しい取り組みを行っているnewmo。ライドシェアという新たな商機について、さまざまな角度からアプローチしていくため「カーリース」の展開にも乗り出す。
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■ドライバー応募者の35%がリース希望
newmo は2025年5月から大阪でライドシェアドライバーの募集を開始しており、現在までに数千人の応募があったという。ライドシェアドライバーの説明会参加者を対象にしたアンケートでは、応募者のうち3割がライドシェアに利用する車両のリースを希望していることが分かった。
アンケート結果によると、ライドシェアに使用する車両について「自分の車」が51%でトップ、次に「リース希望(自家用車あり)」21%、「リース希望(自家用車なし)」14%といった順番になったという。
そこで、newmoはライドシェアドライバー向けに車両をリースし、ライドシェアで働く際に使えるほか、それ以外の時間にも自家用車として利用可能な「ライドシェアリース」のサービスを提供していく。
■ライドシェアリースとはどんな事業か
ライドシェアリースは、最近人気の「クルマのサブスク」「カーリース」を発展させたものになる。
車両の購入に必要な頭金や保険代などの支払いは一切発生せず、初期費用ゼロでライドシェアドライバーとして働くことができる。ライドシェアリース代には、車両代に加え維持に必要な車検や保険、税金、オイル交換などの整備費用込みの定額プランも用意されているという。利用方法や好みに合わせて、さまざまな車種を選べるようになっている。
なお、軽自動車はラインアップからは除外されているようだ。これは、ライドシェアとしては軽自動車が不可との明確な規定はないものの、タクシー事業者の多くが軽自動車の利用を不可としているためだと考えられる。
このサービスはドライバーの応募者に順次案内を開始し、今秋からサービスの提供を行う予定だ。現在は大阪エリアのみが対象となっている。
■メルカリ元幹部らが設立した企業
メルカリの元幹部らにより設立されたnewmoは「利用者視点に立ったサステナブルな地域交通」の実現を目指し、タクシー・ライドシェアサービス事業を展開している。日本全国のタクシー事業者との資本参加・提携を通じ、タクシー・ライドシェアのハイブリッドモデルで供給を拡大していく計画だ。
同社が3月に開催した事業戦略発表会では、2025年度中に「全国主要地域での展開」「タクシー車両数3,000台」「ドライバー数1万人を目指す」といった内容を発表している。
2024年3月に大阪市域交通圏にて事業を展開する株式会社岸交に資本参加しタクシー事業を推進するほか、同年7月には大阪市域交通圏を中心にタクシー車両数606台を保有する株式会社未来都を買収するなど、積極的に事業を拡大している。
■「ライドシェア×カーリース」という新しい視点
ライドシェアドライバー希望者で、自家用車を所有していてもリース車でライドシェアを行いたいという意見が多いのは意外な気もする。しかし家族が通勤に使っていたり、自家用車には荷物を積んだりチャイルドシートを設置していたりなど、お客を乗せて走るには適していない場合も多そうだ。
そういった際に、カーリースを利用できるのは助かるだろう。また、ライドシェアに用いる以外の時間は自家用車としても使えるのは便利だ。今のところ、日本版ライドシェアサービスの提供エリアは都市部が多いため、駐車場の確保や金銭的な問題がクリアになるなら、使い勝手がいいサービスに成長していきそうだ。
次々と新しい施策を打ち出していく同社。日本版ライドシェア展開企業の中心的な存在となっていくのか。
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