トヨタ自動車は2024年5月8日午後、2024年3月期(2023年4月〜2024年3月)の通期決算を発表した。売上高は前期比21.4%増の45兆953億円、営業利益は同96.4%増の5兆3,529億円、当期利益は同103.4%増の5兆714億円だった。
決算発表では、合計2兆円の「未来への投資」を実施したことに触れ、そのうち1兆7,000億円が「モビリティカンパニーへの変革に向けた投資」だとした。デジタル化への投資額も増加したという。
そして、設備投資と研究開発費における成長領域への投資は、2024年3月期は1兆2,000億円規模だったが、今期(2025年3月期)は5,000億円増やして1兆7,000億円規模とすると発表。それぞれ、設備投資は7,000億円から1兆1,000億円、研究開発費は5,000億円から6,000億円に増やす。
トヨタらしいソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)の基盤づくりに向け、ソフトウェアやAI(人工知能)、自動運転分野などの投資を増やすものとみられる。
■佐藤社長「AI関連の投資も拡充」
トヨタの佐藤恒治社長CEOは決算発表で、トヨタらしいソフトウェア・デファインド・ビークルの実現に向けて、この1年は車載OS(基本ソフト)「arene」(アリーン)の開発やソフトウェア基盤の整備に注力してきたことを強調した。
そして、今後は自動運転を含めてモビリティの進化を実現することと、AI関連の投資も拡充するとした。決算発表のスピーチの最後には、「一番大切なことは実行すること」とも語った。
トヨタは自動運転に関しては、MaaS向け自動運転シャトル「e-Palette」の開発や、実証シティとして「Woven City」(ウーブンシティ)の建設などを進めている。また、ホンダや日産などのライバル他社が自動運転タクシーの計画を発表する中、トヨタも自動運転技術を活用した商用サービスを展開するのか、注目が集まっている状況だ。
トヨタの決算発表資料は、以下のURLから閲覧できる。
▼決算報告|トヨタ自動車
https://global.toyota/jp/ir/financial-results/
【参考】関連記事としては「トヨタの自動運転戦略(2024年最新版)」も参照。
大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報)
【著書】
・自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
・“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)