自動運転、米国だけで最大45万人超の雇用創出!今後15年間で

楽観シナリオだと車両は3,600万台生産予測



米国では自動運転車の導入により、最大で45万5,000人の雇用が創出されるというレポートが発表された。


米国のハイテク業界連合「Chamber of Progress」によると、自動運転車の開発や生産などに関連する人材として雇用が促進されるという。年間1,000台の自動運転車が生産・配備されるごとに、自動運転車両の製造や整備に約190人の労働者が必要になると試算しているようだ。

自動運転車は米国の雇用の未来をどう変えていくのだろうか。詳しく見ていこう。

▼Opportunity AV : How Many and What Type of Jobs Will Be Created by Autonomous Vehicles?|Chamber of Progress
https://progresschamber.org/wp-content/uploads/2024/03/Opportunity-AV-How-Many-and-What-Type-of-Jobs-Will-Be-Created-by-Autonomous-Vehicles.pdf

■1,000台増えれば190人の新規雇用

出典:Chamber of Progress

今回は発表されたレポートは、コンサルタント会社の英Steerと、戦略会社である米Fourth Economyによって作成された。


レポートによると、自動運転車に関連する人材は、生産台数によって異なってくるという。今後15年間で生産される自動運転車は、約360万〜3,600万台と予測されている。

中程度の経済シナリオとしては、900万台の生産になるという。この市場規模を維持するためには、11万4,000人の労働力が必要と推定されている。具体的な内訳は、5万7,000人の開発・生産要員、1万8,000人の流通要員、3万9,000人のメンテナンス・アップグレード・修理要員となっている。

より楽観的なシナリオでは、今後15年間で3,600万台の自動運転車が生産される可能性があるとしている。その場合に必要な労働力は、45万5,000人になるという。開発・生産要員22万7,000人、流通要員7万1,000人、メンテナンス・アップグレード・修理要員15万7,000人といった具合だ。

出典:Chamber of Progress

■自動運転業界の給与水準は?

レポートによると、自動運転車に関連する職種は大卒でなくても就労可能であるという。自動運転車関連の労働者全体の82%が、全国平均賃金以上の収入を得ているようだ。大卒ではない労働者に限定すると、59%が全国平均賃金以上の収入を得ている。


多くの自動車メーカーは、すでに自動運転機能を車両に組み込んでいる。そのために、エンジニアやソフトウェア開発者のような「STEM(Science:科学、Technology:技術、Engineering:工学、Mathematics:数学)」関連の人材の雇用を増やしている。

そのほか、車両の組み立てラインや加工に従事する生産関連の人材、自動運転車の販売やサービスを提供する人材も必要だ。Chamber of Progressは、自動運転産業が成熟し生産台数が増加するにつれて、自動車産業全体と同レベルの人材ニーズが発生すると断言している。

■ハイレベル人材の確保が要に

米国や中国、日本などで自動運転開発競争が加速している現在、同時に必要なのは、関連人材の確保だ。すでに米国では、高収入の求人案件が多数見られる。日本でも、自動運転関連のハイレベル人材の多くは、高い年収が提示されている。

自動運転開発を制すには、まずは優秀な人材確保が大切だ。今後ますます人材獲得競争は激化していきそうだ。

【参考】関連記事としては「Googleの自動運転部門、インターンにも年収2,000万円提示」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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