ついにUberが自動運転タクシー展開!Google製車両を採用、業界の大本命に

米アリゾナ州フェニックスでWaymoとタッグ

B!
出典:Waymo公式サイト

ライドシェア最大手のUber(ウーバー)は2023年11月1日までに、自動運転タクシーサービスをアメリカ国内で開始した。アリゾナ州フェニックスで、Uberアプリを通じてGoogle系Waymoの自動運転タクシーの配車が可能になった。

すでにライドシェアで多くのユーザーを抱えるUberがGoogle陣営と提携したことで、自動運転タクシーの大本命に踊り出た。なおUberとWaymoは、配車・配達において複数年にわたるパートナーシップを結んだことを今年5月に発表している。

ちなみに自動運転のレベルは「レベル4」(高度運転自動化)で、サービス提供エリア内においては車内が完全無人、つまり安全のためのセーフティドライバーがいない状況で運行される。

■マッチングの際にユーザー側に確認

フェニックスにおいて、UberのアプリでUberXやUber Green、Uber Comfort、Uber Comfort Electricをリクエストしたユーザーは、Waymoの自動運転タクシーがマッチングされる可能性があるという。

なおUberXは一般的なライドシェアで相乗りではないサービス、Uber GreenはEV(電気自動車)を選択できるサービス、Uber Comfortは新しくて足元が広い車種でのサービス、Uber Comfort ElectricはテスラなどのEVも選択できるサービスのことを指す。

最初から自動運転車を選択することはできないようだが、Uberのアプリの「乗車設定」にて選択することで、自動運転車とマッチングする可能性が高くなるという。

自動運転車がマッチングした場合、配車前にユーザーに対して、自動運転車の乗車に応じるかどうかの確認がある。もし不可なら、別の車両を探すこともできる。

自動運転車の乗車に応じた場合は、Waymoの自動運転タクシーが到着すると、ユーザーが車両のロックを解除し乗車、完全自動運転での移動を開始する。なおユーザーは24時間365日、カスタマーサポートを利用することができる。これは、UberのアプリとWaymoのアプリの両方からアクセスできるようになっている。

出典:Uberプレスリリース
■デリバリー事業でも自動化を推進

Uberは自動運転の実用化に積極的な企業だ。デリバリー事業においても、米スタートアップのServe Roboticsと提携を拡大し、最大2,000台のロボットを配備する計画を2023年6月に発表している。まずはカリフォルニア州ロサンゼルスの200軒以上のレストランで利用が可能で、今後両社は全米の複数の都市でロボットの導入を拡大していく予定としている。

なおUberはかつて自動運転開発部門「Uber Advanced Technologies Group(ATG)」を展開していた。しかし2020年2月に米Aurora Innovationに売却し、自社開発は断念した。その後はWaymoに代表される開発各社とパートナーシップを結び、自動運転サービスの導入を進めている。

■車両供給ではWaymoの一強体制に?

2018年12月に自動運転タクシーを世界で初めて商用展開したWaymo。これまで米国では、Waymoのほかに米GM傘下のCruiseも自動運転タクシーサービスを複数の都市で開始しているが、Cruiseは度重なるトラブル・事故でカリフォルニア州から営業停止措置を受けたことを受け、アメリカ国内での営業を全面的に自主停止している。

そんな中、配車アプリの先駆者であるUberに自動運転タクシーを供給することになったことは、Cruiseとの競争を優位に進める上、Waymoにとっては追い風のトピックと言える。

自動運転タクシーの車両の供給ではWaymo一強体制、自動運転タクシーの配車アプリとしてはUberが大本命となっていく状況が続くのか、注目だ。

【参考】関連記事としては「Uberが大株主!自動配送ロボ開発の米Serve社、SPAC上場を発表」も参照。

記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)



B!
関連記事