トヨタ自動車と建機大手の小松製作所(コマツ)は2023年5月23日までに、無人ダンプトラック運行システム上で自動走行するライトビークルの開発において、協業を開始したことを発表した。
無人のダンプトラックと有人のライトビークルが混在する環境の場合、無人ダンプトラックの稼働効率が下がるため、ライトビークルの自動運転化を実現させることで、両方の車両をダブルで自動運転させることを目指した取り組みだ。
■トヨタとコマツのタッグに期待
トヨタと協業するコマツは、2008年に世界で初めて無人ダンプトラック運行システム(Autonomous Haulage System:AHS)を商用導入した。世界5カ国22鉱山で稼働しており、累計稼働台数650台以上となっている。
現在AHSの管制下の鉱山現場の走路では、無人ダンプトラックと、鉱山内での作業員の輸送や保守点検に携わる有人ライトビークルが混在して走行しているといい、人的ミスによる衝突を避けるため、すれ違い時に無人ダンプトラックが減速または停止し、安全性を確保している。つまり、無人ダンプトラックの稼働効率という点では課題がある。
両社はこうした課題解決のため、共同で取り組む。具体的には、コマツはAHSの管制システム上に自動走行するライトビークル(Autonomous Light Vehicle:ALV)用管理プログラムを新たに開発する。トヨタは乗用で培った自動運転技術を応用し、AHSの管制システムからの指令で自動走行するALVを開発するという。
■生産性の高いスマートでクリーンな未来へ
トヨタとコマツは、顧客やパートナーと共に安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の鉱山現場の実現を目指し、取り組みを加速していくという。
今回の取り組みにおいては、コンセプト車両を用いて現在試験を行っており、2024年1月頃には顧客の現場での実証実験を開始する予定のようだ。自動走行ライトビークルの実用化を楽しみに待ちたい。
【参考】関連記事としては「自動運転と建機」も参照。