遠隔管制システムを搭載した自律運転けん引車の機材運搬実証が、2023年4月3〜13日に関西空港で実施された。
実証では、フランスのEasyMile製のEV自律運転けん引車「TractEasy」に、パナソニックが開発した遠隔管制システム「X-Area Remote」を搭載され、実施された。実証実験ではPeach Aviationなどが協力企業として名を連ねた。
■航空機の動力供給機材の運搬を想定
実証で用いたTractEasyは、センサーやカメラから取得した走行距離などのデータをリアルタイムで処理し、自律的に運搬を行うことができる。センチメートル単位の位置特定技術や障害物の広範囲検知、車両とインフラをつなぐV2X無線通信、予測制御、交差点・横断歩道の判断などのナビゲーションシステムが組み込まれているという。
今回の実証では、関西空港エアロプラザビル内のPeach AviationのオフィスからTractEasyを遠隔操作し、航空機の動力供給機材の運搬を想定した安全性や走行能力、遠隔操作・監視システムの操作性や実用性を検証した。
■自動運転シャトルの有力企業「EasyMile」
TractEasyの開発・製造を手掛けるEasyMileは、2014年にフランスで設立され、自動運転シャトルなどを開発しているスタートアップだ。2021年11月には、欧州で初めて公道における「自動運転レベル4」(高度運転自動化)の走行許可を得ている。世界30カ国以上、400以上のエリアで走行実績がある。
また、TractEasyに搭載されたパナソニック開発の遠隔管制システム「X-Area Remote」は、4Gや5G環境での低遅延安定通信、サイバーセキュリティ、遠隔オペレータへのAIアシスト機能などを有している。さまざまなモビリティを複数台まとめて統合的に監視・操作・運用管理する遠隔管制ソリューションとなっている。
■人手不足の問題が早期に緩和!?
ここ数年、空港で自動運転技術を活用した実証実験が盛んに行われている。特に関係者以外が立ち入ることのできないエリアで自動運転技術の導入が早期に進むと考えられており、空港関係の業務における人手不足の問題が緩和されていくことに期待が高まる。
▼EasyMile公式サイト
https://easymile.com/
【参考】関連記事としては「自動運転+遠隔管制の「ダブル技術」が、時間損失を最小限に」も参照。