「自動運転と自治体」という切り口では、自治体が実施する自動運転の実証実験にスポットライトが当たりがちだ。それ自体はおかしなことではないが、別な角度の取り組みもある。
たとえば北海道の内陸部に位置する北海道士別市は「自動走行実証試験適地(公道外)の紹介」というページで、冬期閉鎖道路など5件を自動運転関連の試験・研究を実施するために用意していることを説明している。
■提案路線の除雪作業も実施
5件には、冬期閉鎖道路2区間のほか、旧士別高校跡地とふどう公園駐車場、道北自動車学校が含まれている。以下がそれぞれの詳細な情報だ。
士別市は「ぜひ、本市で自動走行関連の試験・研究をご検討ください」としており、士別市で実証を実施するメリットとして、以下の5つを挙げている。除雪作業も実施(※一定の条件あり)してくれるというのは、なかなかのメリットと言えそうだ。
- 積雪寒冷地での試験研究の実施
- 提案路線の占用(冬期間、公道を試験道路として無料で占用できます。)
- 提案路線の除雪作業実施
- 車両保管場所(使用料無料、カギあり、200V電源あり)
- 通信環境(市内ホテルにてフリーWi-Fiあり)
現在はすでに3月中旬にさしかかっており、北海道でも雪が溶け始めているため、もし来シーズンに冬期間の自動運転実証を検討している企業は、利用を本格的に考えてもいいのではないか。
■トヨタの超高速走行極低温試験でも実績
ちなみに士別市ではさまざまな自動車の試験・研究が行われており、トヨタの超高速走行極低温試験やブリヂストンのタイヤの試験などで実績がある。
士別市は積雪が多く、冬期間(11月中旬〜3月)の過去10年の最低平均気温はマイナス27.4度と非常に寒いことも特徴で、こうした極端な環境が自動車メーカーなどの実証実験のニーズを受け止めてきた。
士別市の特性・概要については、以下のPDFファイルから閲覧できる。興味がある方はぜひ閲覧してみてはいかがだろうか。
▼士別市の特性・概要
https://www.city.shibetsu.lg.jp/material/files/group/2/111.pdf
【参考】関連記事としては「自動運転で「5分でお迎え」!北海道更別村のスーパーシティ構想とは?」も参照。