メルセデス、個人所有のレベル4自動運転車「2030年までに」

レベル3開発成功で自信、未知の領域へ



ドイツの高級車メーカーであるメルセデス・ベンツは、自動運転レベル4(高度運転自動化)の機能を搭載した自家用車を2030年までに実現する考えであるようだ。


メルセデスのCTO(最高技術責任者)であるMarkus Schäfer氏が、米国のメディア向けイベントで「レベル4の自動運転は2030年までに実現可能」「個人所有のレベル4自動運転車を将来的に考えている」と語ったという。

■自動運転レベル4、しかも「個人向け」

自動運転車は、タクシーやデリバリーなどさまざまな用途に向けた開発が進められているが、早くから実用化が進んでいるのがバスやシャトルサービスだ。一定のルートを走行するシャトルなどは自家用車に比べ自動運転開発が比較的容易で、社会的受容性も醸成されやすいからだ。

現在もレベル4はこうしたタクシーやシャトル向けに主に開発されているが、メルセデスは(※シャトルも同時に開発するかもしれないが)個人向けのレベル4自動運転車の実用化を目指しているという。

Schäfer氏が語ったところによると、メルセデスは自動運転レベル4の有用性を高く評価しており、渋滞がひどい都市部のラッシュアワーなどで「仮眠」をとれるようになることは非常に意義のあることだとしている。


レベル3で業界をリードするメルセデス

メルセデスは、米国で展開している車両に自動運転レベル3の有料オプション「DRIVE PILOT」を搭載することを最近発表している。

すでにネバダ州で自動運転レベル3による走行許可が承認され、カリフォルニア州でも申請している。このままいけば、どうやら米国初の自動運転レベル3搭載の市販車はメルセデスから発売されることになりそうだ。

そのレベル3のさらに段階が上のレベル4は「高度運転自動化」と呼ばれ、一定条件下において自動運転システムが全ての運転操作を行う段階を指す。ODD(運行設計領域)内では人間が完全に自由になる。

レベル4を市販車に搭載するのは決して簡単ではないが、レベル3で業界をリードするメルセデスだけに、実現に向けた期待感は小さくない。


記事監修:下山 哲平
(株式会社ストロボ代表取締役社長/自動運転ラボ発行人)

大手デジタルマーケティングエージェンシーのアイレップにて取締役CSO(Chief Solutions Officer)として、SEO・コンテンツマーケティング等の事業開発に従事。JV設立やM&Aによる新規事業開発をリードし、在任時、年商100億から700億規模への急拡大を果たす。2016年、大手企業におけるデジタルトランスフォーメーション支援すべく、株式会社ストロボを設立し、設立5年でグループ6社へと拡大。2018年5月、自動車産業×デジタルトランスフォーメーションの一手として、自動運転領域メディア「自動運転ラボ」を立ち上げ、業界最大級のメディアに成長させる。講演実績も多く、早くもあらゆる自動運転系の技術や企業の最新情報が最も集まる存在に。(登壇情報
【著書】
自動運転&MaaSビジネス参入ガイド
“未来予測”による研究開発テーマ創出の仕方(共著)




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