スウェーデンのボルボ・グループが、自動運転トラック向けにAI(人工知能)を開発するカナダのスタートアップ企業Waabi(ワービ)に投資し、自動運転トラック開発を加速させるようだ。
ボルボ・グループの投資会社であるVolvo Group Venture Capitalが戦略的投資を行ったことが、2023年2月13日までに発表された。今回の投資については「商品の移動方法を再定義し、将来の輸送ソリューションの展開を加速させる」という共通のコミットメントを強調されている。
また、Volvo Group Venture CapitalのMartin Witt社長は「Waabiは高度なAI技術を用いて、自動運転技術をテスト・評価、かつ教育し、商用可能な自動運転トラック輸送ソリューションを実現している」と述べているという。
■仮想下でAIが無限に道路状況を経験
Waabiは、米Uberで自動運転車開発プロジェクトの責任者であったRaquel Urtasun氏が、2021年にカナダのトロントで設立した企業だ。現在は、米アップルのEV(電気自動車)プロジェクト出身者や、Aurora Innovationの出身者も加わっているようだ。
Waabiは2022年2月に自動運転シミュレーター「Waabi World」を発表している。このシミュレーターにはAIが搭載されており、シナリオ作成やスキルの評価、自動運転技術の教育を行うことができる。
2022年11月には次世代型自動運転トラック輸送技術「Waabi Driver」を発表した。自動運転技術において、Waabi Driverが他社と大きく違う点は「AIファースト」を採用している点だ。
多くの自動運転開発企業は、実世界で車両を走らせることで、道路や建物などの情報など時間をかけて学習させ、ソフトウェアをアップデートしていく。それに対しWaabiは、Waabi World用いて仮想テストを行い、システムにほぼ無限の種類の道路状況を経験させている。
これにより実世界でのテスト走行の必要性が大幅に軽減され、より安全で安価なソリューションの実現を可能にするという。
■「自動運転×カナダ」に注目集まる?
カナダの自動運転ベンチャーはあまり多く聞かない。Waabiの活躍で「自動運転×カナダ」への注目が集まりそうだ。引き続き注目だ。
▼Waabi公式サイト
https://waabi.ai/
【参考】関連記事としては「米Argo AIが36億ドルで1位!自動運転企業の2022年資金調達ランキング」も参照。