自動航行船を開発するスタートアップである株式会社エイトノット(本社:大阪府堺市/代表取締役:木村裕人)はこのほど、地域金融機関から資金調達を行ったことを発表した。
具体的な金額は明らかにしていないが、広島ベンチャーキャピタルを引受先としたJ-KISS型新株予約権方式によるエクイティファイナンスと、池田泉州銀行からの借入によるデットファイナンスを組み合わせた資金の調達だという。
■瀬戸内海と大阪を自動運転船で接続へ
エイトノットは、瀬戸内・大阪エリアを中心に事業を行っている。今回の資金調達で地元の金融機関とタッグを組むことで、ベンチャー企業である同社が地元事業者といち早く信頼関係を構築するために有効であると考えたという。
これにより、事業を行うエリアでのエイトノットの存在感アップが見込まれ、営業活動を包括的に支援してもらえるような強固な体制を構築していく。将来的には、瀬戸内海と大阪を水上交通で接続することで、西日本エリアにおける広域水上輸送網の実現を目指す。
■注目の新興企業エイトノットとは?
エイトノットは2021年3月に設立されたばかりのスタートアップだ。「あらゆる水上モビリティをロボティクスとAIで自律化する」をミッションとしており、小型船舶向け自律航行技術開発を中心に「海のDX」と「船舶のロボット化」を推進している。
2022年6月には、2025年の無人航行小型船舶の社会実装に向けて、規制等の事業障壁や新たなルールメイクにチャレンジする事業を支援する、広島県の「『サキガケ』プロジェクト実証実験実施業務」に採択された。広島港周辺海域で自律航行小型EV船を用いた水上タクシー向け先行技術実装を行った。
また同年9月には国土交通省が進める大崎上島町オンデマンド水上タクシー推進協議会へ参画することを発表している。
同年11月には小型船舶向け自律航行プラットフォーム「AI CAPTAIN」を発表し、現行法上でも利用可能な一部機能を「自動操船アシスト機能」として提供を開始した。
■2025年の無人航行船の就航に向け
立ち上げから間もないものの、2025年の無人航行船の就航に向け動き出しているエイトノット。「自動運転×海」のスタートアップは決して多くない中、一層注目が集まりそうだ。
【参考】関連記事としては「自動運転船、国・民間の取り組み解説(2022年最新版)」も参照。